【初めての夏休み 第1話】

とある昼下がり、私はいつものようにお稽古に行く支度を整えていた。

「えーっと、扇子と舞傘と……忘れ物ないかな?」

いつもの日本舞踊の先生が連日の暑さで床に伏してしまい、今日は代わりの先生が来るということで、心なしか緊張してしまう。

「よし、今日も頑張ろう!」

自分を鼓舞するように掛け声を掛けると、部屋を出た。

「~~はん、間に合うた! あのな、この文あんさんに渡して欲しいて預かって来たんや……何でも急ぎの用とか言うてはったな……」

花里ちゃんが肩を上下させながら私に一通の手紙を差し出した。 きっと受け取ってから一目散に此処まで届けに来てくれたんだろう。

「花里ちゃんありがとう! えっと……これ誰から?」

「はて、誰やろ? なんやえらい慌ててはって、文だけ渡してすぐに去って行かはって……せやけどわて見た事ない顔やったさかい、何処ぞの旦那はんに御使いでも頼まれたん違う?」

裏を返しても何も書かれていないので、一先ず中を開けてみる事にした。 そこには昼九つ……つまり正午に或る場所へ来て欲しいという事だけが書かれていた。

「ちょうど通り道だし少しなら間に合うかな……」

「せやけど何処の誰かも分からへん人からの誘いに乗ったらあかんえ。 なんや良からぬ罠かもしれへん」

「大丈夫、あそこなら人通りも多いし、お稽古場からそんなに遠くないから」

心配そうに大きな瞳を僅かに左右に振れさせる花里ちゃんに、私はにっこりと微笑みかけると、置屋を後にした。



~執筆後記~

かなり間が空いてしまいましたが、夏の思い出を・・・と、新しい小説の執筆を開始しました。
(ちなみに、こちらの小説を書き始めたのがちょうどひと月前・・・相変わらず亀さんよりもスローペースなスピードです(^^;)

えと、こちらの主役の旦那様はどなたでしょうかねぇ~?
ふふふ・・・それは次回以降のお楽しみで♪
そして次回更新も未定ですが、頑張って今年中には・・・←オイw

そして、本日、久々のブログ管理で過去の記事などを編集しておりまして、何度も更新メッセージが飛んでしまい申し訳ございませんでした。
また、前回のブログで皆様にご心配をおかけしてしまったことを心からお詫び申し上げます。

このようにまた艶が~る妄想小説を執筆再開しようと思えたのも、皆様からの心温まる励ましのお言葉のおかげです!!
本当にありがとうございます<m(__)m>
これからも細く長く続けていこうと思いますので、どうぞよろしゅうお頼み申します♪

リボンSpecial Thanksリボン

~前回のブログにコメント下さった方々~
蓉さん、м∀йамiさん、チェウォン♡さん、エリス空さん、むっちさん、さちさん、kyonさん、月祈 慧泉さん、どよよんさん、みかりんさん、ぶぅきょんさん、沙羅さん、ここぺりさん、小春さん、わとさん、†小麦†さん、ママゴンさん
温かいメッセージを下さった皆様、読者の皆様音譜