彩冷える【続き】
そこから数ヶ月経って結成20周ライブ開催の為にまたメンバーと会うようになり、少しずつ今後の話もするようになって。
もし、メンバーの誰かが、「もう一回売れて武道館を目指そうぜ!」と言い出していたなら、僕は二つ返事で乗っていたと思います。
バンドを長く続けるという事は目標ではなく、夢を追い続けた「結果」なんだと思います。
僕は長く続ける事は目標にせず、常に夢を持つように心がけていました。
それが自然と自分の中から消えていったのに気付いた時、やっぱり僕はもう彩冷えるをやり遂げたんだと思いました。
これが僕が解散を意識した経緯です。
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以前、AYABIEとしてメジャーデビューした頃、レコード会社のディレクターに聞かれた事があります。
「ライブで一番の効果的な演出って何だと思う?」と。
僕は銀テープかな?いや、レーザーかな?とか安直な事を考えていたんですが、
答えは、「ファンが盛り上がっている姿」
バンドとファンが一体になった時のエネルギーは凄まじい物があるから、そのエネルギーを生み出せるようにバンド自体で観客を盛り上げる力をつけろというメッセージだったんだけど。
この前のMCで、21年前はこのメンバーが運命の人だとは思ってもいなかったと言いましたが、きっと最初は本当に運命の人でも何でもなかったんだと思う。
そんな僕たちを運命の5人に導いてくれたのは、紛れもなく応援してくれたファンの皆さん一人一人の、その“エネルギー”だったのだと思います。
本当に、本当にありがとうございました。
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「五片の忘れ雪」を終えて、今までお世話になったスタッフチームともお別れです。
楽器テックとして、20年お世話になった徳さん、佐藤さんは楽器や機材の調整だけでなく、僕の精神面も支えてくれていた、とてもとても大切な存在でした。本当に感謝しています。
その昔、佐藤さんが業界を引退すると伝えられた時は泣き崩れた事もありました。
戻って来てくれて、本当に嬉しかった。
そして、ライブで全スタッフの統括をしていた舞台監督。
「近来稀に見るバンドリーダーだと思います。」
最後に送ってくれたLINEに書いてあったこの言葉を見て、思わず涙がこぼれました。
あの時感じた孤独も苦悩も全て報われた気がしました。
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最後に
ここまで運命を共にしてくれたメンバーのみんな。我儘を受け入れてくれてありがとう。
みんながいてくれたから、たくさんの夢を叶える事が出来ました。
本当に感謝しています。
本当にありがとう。
この居場所は、おれのパワースポットでした。
たくさんの力をありがとう。
まさにみんなはアーティストです。
たのもしかったし、一緒にいると心強かった。
いつも楽しかった。何でも出来ると思った。
つぎのステージもお互い頑張ろう。
からだには気を付けて。
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P.S.
今回のライブはDVDにはしないと公式でお知らせしました。
これはメンバーと話し合って決めました。
ですが、配信チケットを買ってくれた方には、見逃し配信期間が終わった後も視聴出来るようにしようと思っています。いつでも見たい時に見てもらえるように。
まだ出来るか分からないけど、ちょっと待っててね。
あと、チケットが取れなくて今回のツアーに来れなかった皆さん。
もうすぐ通販を始めるので、こちらもちょっと待っててください。
CEO最後の仕事として、こちらも全うしますので待っててください。
もうめまいも吐き気もしないから大丈夫。
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それでは、みなさん
21年間、ハッピーな人生を本当にありがとうございました!!
彩冷える タケヒト
P.S.2
今回も大学時代の友人+ゆたかさんとで沖縄にいるのですが、二日酔いで寝過ごしフェリーに乗れず。今頃みんなは粟国島。。