仕事を幸せに繋げるための3つの心得 - 書評 - 仕事に幸せを感じる働き方 | 知磨き倶楽部 ~ビジネス書で「知」のトレーニングを!~

仕事を幸せに繋げるための3つの心得 - 書評 - 仕事に幸せを感じる働き方


朝7時には出社して深夜1:00過ぎ頃に退社する――今はそんな必要性もないけれど、一時期、毎日がこうした働き方だった頃があります。
それに加えて必要があれば休日出勤もしていましたし、会社で一晩を過ごすこともありました。
周りとは「ワーカーホリック」とお互いに笑い合っていましたが、家庭や健康を犠牲にしてまで仕事に打ち込んでいる、というのはちょっと違ったようにも思います。
(家庭をまったく犠牲にしていないなんて言ったら、妻に怒られるかもしれませんが…。)

そんな生活を送りながらも、そのときの「仕事」を嫌だと思うことは一度もありませんでした。
それほど意識をしていませんでしたが、恐らく「幸せ」だとすら感じていたように思います。
今も、仕事の内容などは変わりましたし、僕自身のワークライフバランスの比重も変わりましたが、同じように「幸せ」なんだと思っています。

一般的には週に40時間が標準労働時間として設定されているわけで、その場合、ウィークデイの3分の1、休日まで含めても4分の1近くを「仕事」に費やしていることになります。
まあ、多くのビジネスパーソンはそれどころではなく、「仕事」に時間をかけているはずです。
よく言われることですが、それほど多くの時間を費やしているのですから、「仕事」そのものに「幸せ」を感じられなければ「幸せな人生」になどなり得ないでしょう。

では、その為にはどうすればいいのでしょう。
僕はたまたま「転職」を経験して、そうした「やりたかった仕事」をする機会に触れるチャンスが生まれ、今に至っています。
当時こそ「転職」が大きなきっかけであったと思っていましたが、今はたまたま「転職」はしたけれど、それが根幹ではないと思うようにもなっています。

SBIモーゲージで常務を務められている横山さんは、数多くの転職希望者との採用面談を通じて、このようなことを感じられています。
 今日、何もせずに、違った明日を期待してはいけません。今日、何もしなければ、今日と同じ明日がやってきます。
 今、明確な夢や目標を持っていてもチャレンジしていないのならば、転職しても何も変わりません。(p.39)
恐らく、根幹にあったのは「想い」「チャレンジ」という気持ちだったのではないかと思います。

今、仕事に幸せを感じていない場合に頭の中にチラつく「転職」の二文字。
これは悪魔の誘惑のような気がします。
今の仕事においても「幸せ」を感じてはいるものの、より「幸せ」な明日に繋がる「転職」であればいいのですが。。。
それは日々の仕事への取り組み方次第によって大きく変わります。
そこで、ここでは特に若手ビジネスパーソンに向けて「仕事を幸せに繋げるための3つの心得」をまとめさせていただきます。
(僕自身への自戒の意味も込められていますが。)


心得その1 将来の夢や目標を持つ
 一般のサラリーマンでも成功している人は、大半が好きな仕事をしていたのではなく、していた仕事を好きになったのです。
 先にも述べたように、仕事そのものは「作業」ですから、これが面白いことはあまりありません。
 でも、将来の夢・目標を実現するためにどうすればいいかを決めれば、今の仕事を面白くするヒントが見えてきます。(p.94)
原則として、横山さんは「転職に逃げるな!」として、安易な転職には絶対反対のお考えを示されています。
転職して環境が変われば…という期待を持っている人は少なくありませんが、今の仕事を面白くしようと思う気概を見せられないようでは、転職をしたところで大抵先は見えています。
まあ、僕の場合、「していた仕事」も面白かったのは間違いないのですが、それよりも他に「やりたい仕事」が出てきてしまったケースなので、逃げではない…と自分では思っているのですが、どうなんでしょう。
今は、「やりたかった仕事」とは少しずつ方向性が変わってきている部分がありますが、「している仕事」を面白いと感じられているので良しとしておきますか。

心得その2 上司に評価されるよう努力する
 何度も言いますが、ビジネスパーソンにとって、上司を敵に回すほど不利なことはありません。誰のためでもなく、あなた自身のために、上司に評価されるように努力するべきです。
 そのような努力ができること。それも能力の1つです。(p.137)
転職が当たり前のように根付いてくると、お互いにずっとこの組織にいるかどうかなんて分からない…という考えが出てくるのでしょうか。
「上司」というものが軽んじられているような気がします。
僕自身、大きな声では言えませんが、鼻っ柱強く思い上がって、「あんな上司…」と思った時期がなかったわけではありません。
が、行動や態度にそれを出すほど子どもではなかったと思っていますし、好かれていたとは思いませんが、フェアに評価はしていただいていたという点で、振り返ってみれば感謝すべき上司でした。

聖人君子でもないですから、万人を愛する、なんてことができるわけありません。
嫌いな上司がいるという事実はどうしようもないとは思いますが、その感情に負けて評価されることを放棄してしまってはプロとして失格です。
お客様・クライアント側の人間が嫌いでも、評価されるように努力しなければならないのと同じですよね。

心得その3 For Youの精神を持つ
 「人のために何かをする」これは「For You]の精神です。人のために行動を起こし、何の見返りも期待しない。「あなたのために」という気持ちが「For You」。
 「For You」の精神で行動すると自然と味方が増え、どんどんよい方向に流れていく。「For You」の精神は逆境にも強いのです。(p.156)
「For You」に対立する概念として、「For Me」の精神が挙げられています。
こちら側・自分としての成果を出さなければいけない「仕事」においては、どうしても打算的になりがちです。
「今、ここでこうしておけば、いずれ…」「ここは恩を売っておくか…」と思ってしまったことありますよね? (え? 僕だけですか……?)

しかし、ソーシャルネットワークが発展してくる中で話題になっている「評判経済」の考え方と同じで、横山さんがおっしゃるような「For You」の精神が、これからの成功を決める鍵となることは理解しやすいです。
期待してもしなくても、「あなたのために」した行動は、「あなた」からも返ってくるかもしれませんが、「あなた」以外の誰かから(タイムラグがあっても)返ってくるものなのです。
ロバート・チャルディーニさんが『影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか』で示した「返報性の法則」を知ってしまっていると、どうしても「期待」してしまう自分を抑えられないところが卑しくて哀しいです……。


仕事に真摯に向き合えば、そこに成長や成功の種はありますし、「幸せ」を感じることができるようになるはずです。
横山さんは、マシュー・サイドさんの『非才!―あなたの子どもを勝者にする成功の科学』を引用され、「才能には差なんてなくて、差は負荷をかけ目的をもった練習量の差によって生じる」という考え方を支持されています。
※ 参考: 親が子どものためにできる5つの努力 - 書評 - 非才!―あなたの子どもを勝者にする成功の科学 (2010年11月6日)

僕も、この考え方には賛成です。
それを信じるからこそ、夢や目標を掲げ、それに向かって負荷をかけつつ経験を積み重ねる、そんな泥臭い「仕事」の中に「幸せ」を見出せるのかもしれません。
ポイントは「1万時間の法則」ですから、特にチャンスが大きいのは若手ビジネスパーソンです。
ぜひ、本書で自分自身の「仕事」に対する姿勢を見直し、チャンスを活かしてもらいたいと思います。

※ 本書はあさ出版編集部の吉田様(本書ご担当)より恵贈いただきました。厚く御礼申し上げます。

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■ 基礎データ

著者: 横山信治
出版社: あさ出版 2010年12月
ページ数: 216頁
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