「しかる」と「褒める」 | AVANCE 通信 

「しかる」と「褒める」

今日はある実験を紹介します。

アメリカの心理学者ハーロックによって行われた学習成果と賞賛・叱責の関係に関する実験です。


小学生に対して算数の問題を継続的に行い、

①褒められるグループ
②叱られるグループ 
③何も声を掛けられないグループ 

に分けました。

数日間の継続的な成績の計測を行うと、

①は5日間成績が伸び続け
②は最初は伸びるがすぐに停滞
③は何の成果もなし。

という結果が導き出されたとしています。

この実験を知って、

「あぁ、やっぱり褒めて育てることが大事なんだな」と思うところですが、

この実験で興味深いのは、「しかる」グループも成績が伸びていること。



叱る・怒るという行為は、「恐怖」を用いて行動を望ましい方向へ向かせるやり方です。

怒られたり、叱られたりするのは怖いので、すぐに直そうとします。

瞬発力があるので、すぐに結果や効果があらわれます。


ただ、「恐怖」が訪れないような状況になると、すっかり元通り。持久力がありません。

これが叱る方法の特徴になります。




一方、褒めて望ましい行動へ向かわせる行為は、叱ることに比べて、瞬発力に欠けてしまいます。

「恐怖」を使って他人がコントロールするのではなく、

自分がその行動を選択していかなければならないので、

時間がかかりますが、自分で選択する分、持久力があります。


もちろん叱ることが100%間違っているというわけではないですし、
私たちも子ども達を叱ることはあります。


ただ、私たちはサッカーのプレーに関して怒る・叱るということはしていない(・・・のはず!!)です。


サッカーは、誰かにやらされてやるものではありません。

自分でプレー選択し、実行していかなければなりません。

その選択を正しい方向へできるように、褒めながら、指導していっています。


時々、保護者の方から、「もっと厳しく、叱ってやってください」と言われることがあるのですが・・・

どうかそこは、子ども達の成長を思って長い目で見ていただいていただければと切に願う今日この頃でございます。