監査法人7割が増収 | アベイルブログ

監査法人7割が増収

「監査法人の業務収入が伸びている。日経金融新聞が全国の監査法人に2006年度の業績をアンケートしたところ、約7割の監査法人が増収だったことがわかった。顧客企業数が増えたことや、会計基準の複雑化に伴う業務時間の増加などが追い風となった。中堅法人では合併などが相次ぎ、業績拡大につながった。」


(日経金融新聞10月3日付の記事より)


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監査法人の主たる業務は財務諸表監査であり、最近の企業不祥事等が相次ぐなか、監査の厳格化が一層徹底される傾向にある。

当然それに伴う監査時間数の増加等によりクライアント1件にかける監査法人の監査コストも増加している。

単にクライアントに往査して現場での作業をするのみではなく、監査法人内部の審査や監督官庁、日本公認会計士協会の審査に対応するため、法人内部での作業が圧倒的に増えていると考えられる。

加えて専門家の確保、教育など内部管理コストも増大し、監査法人としては監査報酬を上げざるを得ないといった状況であろうか。


日本は他の会計先進国に比べて監査時間数が圧倒的に少ないといわれているが、今後も監査時間(=監査報酬)の増加基調は変わらないであろう。

単純に監査時間を増やせば監査の質が上がるとは思わないが、これだけ企業不祥事が騒がれる中、監査時間(=監査報酬)の増加は自然な流れである。


ただ、監査時間を増やすといっても監査をする人数が増えなくては、現状の監査人の負担が増加するばかりである。監督官庁の会計士の増加に向けた取り組みももちろん必要ではあるが、監査法人は現状の監査人に過度な負担をかけることのないようにするとともに、会計士をつなぎとめる努力が不可欠である。

それには報酬というインセンティブに加えて仕事の質を高めることが重要である。


仕事の質を高めること。それはパフォーマンスの高い人間に付加価値の低い仕事をさせないということである。