「真性いじめられっ子 小飼弾」 ライブドアに想う2 | 映画を観て想う

「真性いじめられっ子 小飼弾」 ライブドアに想う2


なんなんだ、こいつは。
ライブドアの前身、オンザエッジの役員と称する
小飼弾という男である。

ライブドアホリエが逮捕された直後から
テレ朝を中心にワイドショーやら討論番組に
出まくっていた。

いじめられっ子をそのまま大人にしたような風貌、
人をナメた喋り方、
相手がトークに食いついてくると嬉々として
調子に乗るその性根。
かまってくれると喜ぶ子供か。
こいつは汚いオヤジだが。



昔、こいつによく似た奴がいた。
小学生の頃の話だ。
同じクラスにいたいじめられっ子だ。
まあどんなクラスにも一人や二人はいる典型的ないじめられっ子だ。


その話をする前に一言。
俺は、いじめられっ子と積極的に仲良くしていた。

偽善的行為とかではなく、そいつの本質を見ずに
(極端に暗いとか外見が変とか運動オンチとか)
不当にいじめられてるのは間違いだと思っていたから。
人間として面白くも何ともない いじめっ子たちよりも
いじめられっ子の方がよっぽど面白い奴が多い。
だから好んでいじめられっ子と付き合った。


しかし、今回書くクラスメートと親交はなかった。


奴は着替えをするのは3日に一回、
風呂は一週間に一回、という生活習慣。
とにかく奴の半径5メートルはすごい臭いなのだ。
生ゴミの腐った臭い。
席替えのシーズンになると、彼の隣になるのは誰だと
クラス中の女子がビクビクしていたものだ。

外見どうこう言う前に不潔なのである。


奴の事をよく表すエピソードがある。
子供にとって毎年心躍る恒例行事だが、
教育実習生と言う名の大学生が
我がクラスにやって来た時の話だ。
今年は女子大生。
特に綺麗でもブサイクでもない女子大生だったと思う。
ただ優しい人オーラはビンビン放っていた。
いいかげん見飽きている担任以外の若い先生というのは
小学生にとって束の間の心のオアシスとなる。

生徒がたとえ異臭を放ついじめられっ子だとしても
分け隔てなく生徒と接するのが教師の使命。
その教育実習生は奴にも当然優しく接した。
それに気を良くした奴は
毎日その先生にベッタリになった。

そして教育実習生の最大の山場である受け持ち授業の日が来た。
大勢の先生たちが見守る中、
実習生が実際の授業を行うのである。
言わば実習の最終テスト。

その日、先生は随分気合が入っていたのか、
黒板に字を書く時間を削りたかったらしく
大きな張り紙にあらかじめ黒板に書く内容を書いてきたのだ。
次々と大きな張り紙を広げつつ授業を進める先生。
調子がいい。
がんばれ、俺は心の中で小さく応援していた。
その時、今まで授業中に発言など皆無だった奴が突然こう言った。
「あれえ、あの漢字間違ってるよ」
確かに漢字のミスがある。
真面目で優しい先生は、奴に
「ごめんなさいね、間違ってたわ」
と真摯に謝った。
それで乗り切れる、小さなミスだ。
そう思った。
だが、調子に乗った奴は立て続けにその漢字ミスを指摘し続けたのだ。
その漢字は、今はもう忘れてしまったのだが、
その大きな張り紙に何度も出てくる常用漢字だった。
黒板でなかったのが大きな痛手となった。
消せない、直せない。
誤字のまま授業を進めるしかない。

みんな気付いていた。
だが、大勢の先生が教室の後ろで見守っているその空間は
小学生でもわかる緊張の空気。
奴以外、みんな見て見ぬ振りをしていたのだ。
だが、自分にだけ優しく謝ってくれる先生に気を良くした奴は
嬉々として目に付く誤った漢字を指摘しまくった。
「あれえ、これも間違ってるよお」
「先生、これもだ、アハハハハ」
どんどん奴だけハイテンションになっていく。


先生はその度に半泣きになって謝っていた。

授業が終わったその直後、
クラスの担任がまさしく鬼のような形相になって
奴の席に歩み寄り、
そして何も言わずに睨み続けたのである。


誤字を指摘することが悪いことではない。
その担任も日頃から
「間違えていることがあったらいつでも遠慮なく言いなさい」
と言っている手前、怒るに怒れない。
小学生に空気を読めというのも変だろう。
だからずっと睨み続けたのである。
緊張の糸が解けた実習生の先生は
顔を真っ赤にして泣き出してしまった。


こういった人間はクラス中から嫌われ、いじめられて然りなのだ。
奴に感じた嫌悪感は今でも鮮明に覚えている。


そしてこの嫌悪感が似ているのだ、小飼弾。

番組側がその異物感を了承して、
出演させていることは十分わかる。
小泉政治、改革路線、
小飼弾の異質な空気はそのイメージを連想させたいのだろう。
その空気の読めない感じも反体制、改革路線。なのか。

番組内の異物感を醸すキャスティングは
絶妙、とか斬新、とか評価されるものだけれど、
小飼弾に限ってはその許容キャパを遥かに超え、キモイ。


「朝まで生テレビ」で、指を伸ばした手を口に当てて
ヒソヒソ話をする要領で
自分でこれはキワドイ、と思っている発言をする。
なんだそれは。意味わからんよ。面白くねーよ。


メディアがホリエを持ち上げた責任をこれだけ問われている今、
小飼弾こそなぜ無審査でテレビに出れるのか。



かのホリエは
「金で買えないものはない」
と豪語した。
そして先日のインサイダー取引容疑。
自分の逮捕が決定し、株が暴落することを予見したホリエは
自分の保有株の全てを売却し、40億の利益を得たそうだ。
なんという愚劣な行為だろう。
昨年の株主総会で配当見送りを決定した時、
涙を流しながら弁解したが、
もちろんパフォーマンスであることはわかりきっているが、
数パーセントは本当の気持ちだろうと信じていた。
会社をデカくするため、
さらなる高みを目指すため、
株主は今だけ痛みに耐えてくれ、
近いうちに必ず還元するからさ。
そのためには多少の粉飾決算や風説の流布など
汚いことも仕方ないだろう。
ライブドア事件に関しては少なからず好意的に見ていた。

今回でその最後の牙城すら崩れた。
結局テメーだけよければ良かったのである。


「自分の株は自分のもの、
(ライブドアに投資した)他人の株も自分のもの」


お前はジャイアンか。

金のためならなんでもする、なんて手垢まみれのフレーズが
そのまんま当てはまる。

金のためならどんなテレビ出演もする、のか。
小飼弾。
お前をそんな風にしか捉えられんぞ。