阪神大震災時のジャイアント馬場さんの行動 | アーサートレーナーの日常ブログ

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 今回の東北地方太平洋沖地震の大きな被害が判明するごとに、今回の災害の大きさを痛感します。
 阪神大震災から16年しか経っていない中、それ以上の被害が及ぶ自然災害が起こるなんて考えてもいませんでした。

 各イベントや有名人達の援助の輪も広がっています。
 その中でプロ野球の開幕問題もスポーツ新聞の紙面を賑わせています。
 私も一野球ファンとして、今回は開幕を延期するべきだと思います。ただ、それに伴う球団会社が請け負う損害もでてくるでしょう。選手側が「被害者のため・・・」という言葉はいいのですが、会社の不利益に対して言及しないのは、少し疑問に感じます。開幕を遅らせることによって生じる会社側の不利益(実際同じ試合数にしても生じる)を考えると、選手会側も給料を減らす必要性もあるのではないかと考えます。
 プロ野球チームは、経営状態が著しくないチームがほとんどで資金不足が深刻化しており、今年はオールスターを3試合することにしております。球団の経営状態を圧迫しているのは、明らかな選手の年俸の高騰化が原因しているのだから、選手会側もそこをよく考える必要があると思います。

 私は開幕延期には賛成ですが、選手の行いだけを美談として捉えることには大いに疑問を感じます。

 
 今回のスポーツイベントの問題は、電力不足等もあり、阪神大震災の時とは比較できません。
 ただ、思いだしたのはジャイアント馬場さんの阪神大震災での3つの行動でした。それを紹介しておきたいと思います。

 1)震災から2日後の大阪府立体育会館大会の決行

 阪神大震災が起こった2日後、全日本プロレスの大阪府立体育会館大会がありました。延期にするかどうか、ギリギリのところで馬場さんは決行する判断を行いました。
 予定されていたテレビ中継は無しということになりました。そして、下記の2点を配慮されました。

 ○当日の全選手のファイトマネーを全額寄付とする。
 ○チケットがあっても当日来場できなかったファンへ、後日の関西地区のチケットか、当日のビデオの提供

 同大会のメインイベントは、川田利明VS小橋健太の三冠統一ヘビー級選手権試合でしたが、60分時間切れ引き分けと言う死闘を演じ、その2人の極限を超える熱闘に会場のファンは「全日本」コールの大合唱でした。
 当日、観戦した私も本当に感動しました。

 2)被災地のファンクラブ会員へ馬場さん自ら支援物資を届ける。

 これは後日、ターザン山本が暴露したことで判明したことでしたが、ジャイアント馬場さん自ら支援物資を大量に購入し、できる限りのファンクラブの会員の元へ直接足を運び、支援物資を届けたそうです。もちろん、マスコミへ事前にリリースして行うようなボランティアという営業目的では無かったため、マスコミのカメラには全く納まっていません。
 お金を出すだけでなく、自分の足で一人一人のファンのために行動された馬場さんのボランティア精神に心を打たれました。
 ですので、私は「スポーツ選手はスポーツをすることでしか勇気付けられない」と言った選手の発言には疑問を感じます。スポーツ選手としてだけでなく、一人間としてまずは考えることができるのではないでしょうか?

 3)復興しつつあった震源地の淡路島で無料のプロレス興行の開催

 震災から約2年半経ち、復興に向かっていた震源地の淡路島北淡町にて、無料の全日本プロレスの興行が行われました。
 この特集が関西ローカルのスポーツ番組で紹介されていましたが、本当に現地の方々がうれしそうにプロレスを観戦していたことが印象的でした。特にお年寄りが多く、気軽に馬場さんに話しかける人々や感激している方々の映像をたくさん観ました。
 そして、司会者であった水泳の金メダリストの鈴木大地さんが大変感動されていたのを覚えています

 最近よく耳にする被災地の 「スポーツで勇気づける」。それが可能なのは地震直後で無く、復旧に向けて動き出した環境下の中でこそ有意義であるのだと考えさせられました。
 地震直後だけでなく、地震から数年経った後でも救済を忘れないことも、とても大切だと思います。

 スポーツ選手や有名人が被災地を訪問している際にマスコミのカメラが一緒について行っている(マスコミにリリースしている)シーンを見るにつけ、何か引っかかるものがありますが、何より被災者の行動を起こすことだけでも素晴らしいことです。

 ただ、本当にジャイアント馬場さんのような人がもっといれば、何か勇気づけられたり、心が洗われたりするように感じてなりません。
 私は改めて、ジャイアント馬場さんのファンであったことをうれしく思い、尊敬する人物であることに変わりはありません。