『生きるとは』

 

世界を楽しむゲームのこと。

 

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ビーチフロントのビーチチェアーで、寝そべりながら、

 

はるか遠方で、綺麗にわれていく波をながめていたら、

 

万物の解が、落雷のように落ちてきた。

 

個々の持っているワールドは十人十色だと思うが、

 

己の場合だと、

 

地球上にどれだけ自分の足跡を残せるかということが、その解に当てはまる。

 

それは、

 

ドラゴンクエストのゲームで、地図を広げた時、

 

未開拓地域の灰色の部分を、すべてクリアーにすることに似ている。

 

新天地にて、ご当地の食事と酒を味わい、地元民と触れ合い、

 

その土地の文化に衝撃を受け、見聞を広め、

 

その時感じたことを、

 

旅の備忘録として、この場に記す。

 

 

それは、

 

 

ドリアン同様に、新鮮でなくては美味しくない。

 

 

そしていつか己の作品が、

 

 

ドリアンのように、尖った異彩を放つ、

 

 

 

『キング・オブ』という冠を、

 

 

 

授かりたいものである。

 

 

扉を開けると、ドリアンの匂いが飛び込んできた。

 

ここは、インドネシア、バリ島のヌサドゥア地区のスーパーマーケット。

 

大型バスが数台駐車できる大型駐車場に反比例し、店内はこじんまりとしている。

 

最大の特徴は、各商品に匂いが移ってしますほどのドリアン臭だ。

 

売り上げの90%は中国団体客の爆買いで、地元民9%、残りの1%は観光客だろうか。

 

万里の長城をシンクロさせるほどの、レジ待ち団体客の行列は、よく言えば世界遺産みたいなものか。

 

マナーのよくない爆買い客に、わたしを含む他の観光客は、世界遺産を眺めるようなまなざしで、長蛇の列を待つしかなかった。

 

スーパーマーケットは、中国観光客のドリアンが食べたいというニーズに応えるということと引き換えに、

 

他の観光客が迷惑と感じるほどのドリアン臭を漂わせていた。

 

「もはや、ココは、スーパーマーケットではなくドリアンマーケットだな。」

 

そんなことを思いながら一向に前に進まないレジで開き直っていると、

 

このドリアンマーケットの戦略を自分に応用できないかを模索してみた。

 

仮に中国総国民14億人がドリアン大好物だと仮定して、

 

世界マーケットの5人に1人を獲得したことになる。

 

同じアジアの世界人口2位のインド、4位のインドネシアも合わせると約7割のシャアを握っていることになる。

 

この数字は、わたしを含む1%の観光客のニーズなんて、応えている場合ではないな。

 

 

と、

 

 

妙に納得しまった。

 

 

数字は嘘をつかない。

 

 

 

『ウンコありすぎだろ!』

 

今回の旅、最終日に訪れた先は、

 

野生のカンガルーがウジャウジャ生息するサンクチュアリ。

 

 

ココは、

 

 

ヤンジャップ国立公園。

 

 

芝生一面には、カンガルーのフンがびっしりと敷き詰められている。

 

 

カンガルーを間近で見たいが、

 

 

このバリケードを破るのは、とても勇気のいることだ。

 

その時、

 

短いショートパンツに、長い足がとてもきれいな白人女性が、

 

まるで、

 

戦士のように、カンガルーへ向かっていくではないか。

 

 

日本代表として、己も負けてはいられない。

 

 

カンガルーのフンを、

 

がんぱってタピオカだと思いこませながら近づくも、

 

とうとう、彼らの懐に入ることはできなかった。

 

 

そして、

 

 

このウンコだらけのサンクチュアリで、

 

 

あらためて今回の旅を振り返ってみる。

 

 

世紀末の悲惨な世の中で、繰り返し愛を説いた『北斗の拳』から学んだように、

 

 

大切なことは、とてもシンプルなんだよな。

 

 

己の人生も後半戦に突入。

 

 

キッスの先を、夢見たあの時のように、

 

 

今一度、

 

 

青コーナーの挑戦者として、

 

 

ファイティングポーズをとってみれ!

 

 

 

あたりはあっという間に暗くなった。

 

 

ココ、

 

 

サザンクロスの街では、南斗の星が輝いている。

 

 

幸い、

 

 

死兆星はみえない。

 

 

ここにて、

 

 

南斗六聖拳の伝承者たちを思いを馳せてみる。

 

 

突然、

 

 

『愛深きゆえに、愛をすてた男』

将星サウザーのことがフラッシュバックしてきた。

 

 

 

『殉星』『義星』『妖星』『仁星』『将星』『慈母星』

 

 

 

宿星に従う南斗のように、

 

 

 

そろそろ、

 

 

 

自分の星に殉じる覚悟が、

 

 

 

必要なのかもしれない。

 

 

 

 

幸せな気分は継続する。

 

当てもなく海沿いを北へ向かっていると、

 

地平線と水平線の境界点にたどり着いた。

 

ここは、

 

ランセリンという街。

 

だれもいない、

 

夕日ポイントで、

 

時間を忘れ、

 

その美しさに見惚れてしまう。

 

ふと、

 

後ろをふりかえると、

 

レインボーもあわられていた。

 

虹の着地点にはなにがあるのだろうか。

 

もし、

 

地軸が23.4度で傾いていなかったら、

 

いま己が味わっている、

 

光景には出会えなかったはずだ。

 

 

日々の生活のなかで、あって当たり前と感じているものは多い。

 

 

当たり前のなかにある、当たり前のキセキに気づけた時、

 

 

世界は、

 

 

それを、

 

 

奇跡と呼ぶんだぜ。