ボイストレーナーの不破です。
歌の悩みで非常に多いもの・・・それは。
音程がとれない!
とにかく本当に多くの相談を受けます。
▼オーディション用にデモ音源を録音したけど、聴きかえすと音程が何かヘン。
▼養成所でレッスン受けているのに、音程が不安定。
▼練習で歌を録音してみたが、音程に高低差がなく、平べったい印象を受ける。
などなど。
プロ志望である・ないを問わず、“音程とれないコンプレックス”は、多くの人を悩ませています。
ですが!
そんな悩みを抱える人の歌を実際に聴いてみると・・・。
音程を取りづらくする、“ある失敗”をしているんです!
実に半数以上・・・もっとですね。
7、8割の人は、その失敗によって“音程の損”をしています。
でも、その失敗を改善することと比例して、音程に安定感が出はじめました。
その結果、以前より歌がうまくなったんです。
さて、あなたは一体どんなことを改善したと思いますか?
それは・・・
歌詞を覚える!!
です。
一見、当たり前とも言えることなんですが、
意外と皆さん、ちゃんと歌詞を覚えずに歌っているんです。
以前、とあるオーディションに審査員として参加した際、
同じ課題曲の一部をひとりひとりに歌ってもらったことがあります。
すると、
●歌詞を何となくしか覚えてなかった人は、音程が不安定で、持ち前の魅力も半減してしまいました。
▲歌う箇所だけ歌詞を覚えた人は、音程は合っているけど、その音程の高低差にメリハリが欠けました。
◎フルコーラス分の歌詞を覚えてきた人は、音程も良く、歌にストーリー性がありました。
となり、結局合格したのは「◎」の人。
つまり、“フルコーラス分の歌詞を覚えた”人でした。
ちなみにこの話には続きがあります。
「●
というアドバイスを守り、別のオーディションで合格を果たし、デビューしました。
律儀にも「あの時のアドバイス以降、歌に対する意識も高くなりました」と、
デビューの報告とお礼に来てくれたのですが、確かに歌詞を覚えて歌うようになってから、
音程力が向上するばかりか、プロ意識も向上する人は多いように感じます。
実は、歌詞を見ながら歌うと・・・
“言葉の高低アクセントにつられてしまう”という、弊害をもたらす場合があるんです。
例えば、「心(こころ)」という歌詞を「ドレミ」という音程に合わせるとしましょう。
すると、ふだん喋っている時の「こころ」と、ドレミという音程に合わせた「こころ」では、
声を発した時の“音の高低に違いがある”ということに気づくでしょう。
・ドレミは、最初の「ド」に対して、「レ」~「ミ」~と、どんどん音が高くなります。
・こころは、最初の「こ」に対して、2番目の「こ」はアクセントが高くなり、
「ろ」は2番目の「こ」に対して低くなります。
ぜひ、実際に声を出してやってみて下さいね。
つまり。
歌詞は、メロディーにのせることを前提にしたものです!
だから、必ずしも喋っている時と同じような音の高低になるとは限りませんよ!
ということであり、
ちゃんと歌詞を覚えていないと、いざ歌う時にメロディーとは無関係の
“喋っている時のような音程”がウッカリ出ちゃいますよ!
ということなんです。
歌詞を覚えていないということは、役者さんでいうなら、セリフを覚えていないということ。
初歩的なところを見逃せば、良い結果になんてつながらないですよね。
今日のおさらいは、
歌詞は頭に叩き込んで、心にも刻み込んでおいて!
です。
歌がうまくなりたい!と思っているのに、この事をやっていなかった人は、スグ実行して下さいね!
そして、スキルも意識もアップさせましょう!
このメッセージが少しでも役に立つのなら、幸いです。