ニコルハウス・周南市 | Audio Cafe

Audio Cafe

ジャズ喫茶、ジャズバー、オーディオ喫茶、名曲喫茶などを巡ります。
  簡単に言えば、レコードやCDで音楽のかかる店に行くブログです。

朝は7時にはネットカフェを出た。早め早めで行ってみよう。駅から数キロ歩くことになる。JR岩徳線の高水という駅で降りた。タクシー乗り場、バス停があるが、目的地の近くには行かないようだし、時間もまばら。

Googleマップがまたご丁寧にちょっと回り道するような経路を案内。良くわからないのでそれに従う。地元のおばさんが、「早いねー」と声をかけてくれるので、ご挨拶。

そこから先はちょっとしたピクニックだった。急な上り坂があるわけではないが、林の中を抜けていき、緑、畑が多い。こういう場所に来ると必ず思うのが、「一体、こんなところにジャズ屋があるのだろうか」ということだ。

高架の道路をくぐった辺りで、ようやくピクニックにゴールが見えてきたはず。最後は車一台がようやく通れるかという砂利道を川に沿って歩いた。途中、廃材の風呂桶があて、溜まった水を飲んでいる猫がいた。その少し先に何やらコーヒーの電飾看板が見えた。あった。9時半に到着。開店時間まで30分ある。付近を散策して時間をつぶす。

道路をくぐる道があるのでそちらに上ると、人家があって、行き止まりだった。家の人が庭で作業をしていた。私有地に入り込んでしまったようでバツが悪く、そそくさと引き返す。川の方に行くと石段のようなものが組まれて下に降りられそうだったので、降りてみた。が、途中で足場がなくなったので引き返す。へたをし潜ったら困る。さらに先に進んでみると、建設業者の事務所やら農作業をしている人に出くわす。畑、道路、まばらな住宅、林、河。橋。そんなものしか見えない。

30分経ったので戻ると、店の前に軽トラックがあって人が作業している。まだ開店していないようなので、聞いてみると、その人がマスターであった。作業を中止して、「珍客だ」と言って歓迎してくれた。

ドアを開けると、強いペット臭がした。猫屋敷なのである。流行っているらしいネコカフェとはこういう感じなのだろうか。

マスターはナチュラリストと言い、町で店をやっていた時もあるが、終の棲家としてここを選んだという。かれこれ6回くらい店をつぶして、煮詰まると止めるたちだそう。最近、自然エネルギーに興味があるとのことだった。「原発はだめ」。

自給自足のような暮らしをされているのかと思いきや、奥さんの収入やら、年金に加え、コンビニでバイトされているそうで、結構余裕があるご様子だった。

この猫の数、店には15匹、自宅(実は、これは先ほど、道をくぐった所の民家だった)に20匹ということだ。これだけのペットの世話代も結構なものになろう。

最近は定年した人がジャズ屋を始め、かなり田舎に店を構える例があるが、この方の場合、これまで町でずっと商売していたというのが違うのだ。

若いころはアメリカでヒッピーをしていたということ。ニコルとはそのときのガールフレンドの名前。ヒッピーとジャズが結びつかなかったので、質問すると、キース・ジャレットもボブディランのバックで弾いたことがあり、サンフランではジャズイベントがあった、とのこと。また不明を恥じるしかない。あーそれでキースジャレットは牧歌的というかフォーキーな感じがするのかな、と合点がいった。

普段聞くものでピアノものと答えると、以下のようなアルバムを選んでくれた。

■再生リスト
1) Almad Jamal "Blue Moon" CD
2) 加古隆
3) Yamamoto Housan-Kikucih Masabumi "銀界"
4) Macoy Tyner

徐々に猫のにおいは気にならなくなっていた。途中、マスターが2Fに上がってCDを探していたとき、猫が一匹私の膝の上に飛び乗ってきたので、びっくりした。ペットは苦手なので、猫とあんなに近ずいたことはなかった。寒がりなので、人の膝に乗るのが好きなのだそう。何か鼻をすすっているので、やはり風邪を引いているらしい。

コーヒーを注文。400円也。

ニコル3
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Cafe Gallery Nicole House
山口県周南市小松原2636-2
0833-92-3377
10:00~20:00