クロ・境港市 | Audio Cafe

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ジャズ喫茶、ジャズバー、オーディオ喫茶、名曲喫茶などを巡ります。
  簡単に言えば、レコードやCDで音楽のかかる店に行くブログです。

早朝松江を出て、まずは米子に着いた。北から回ろうと境港に向かった。

乗った列車は既に水木しげるワールド全開。幾多郎キャラクターが車体や天井に描かれている。
各駅にもそれぞれのテーマキャラがあるようで、好きな人はカメラのシャッターから手が離せない。

駅を降りると観光客で相当混んでいる。妖怪のオブジェが至る所にある。
隣を歩く人が「昔は寂れた商店街でどうしようもなかったらしい」と言っている。こういうのを始めてから20周年と書いてあった。
昨今ユルキャラによる地域活性化がブームだが、それよりずっと前に独自に考え出していたようだ。

店頭の売り子の声掛けがとても熱心。お土産屋が1、2件ではなく駅から東に延びる商店街全体が鬼太郎グッズを売っているのだ。
しばらく歩いていると、妖怪に遭遇した。
境港では妖怪ジャズフェスティバルというイベントが開催されているのをご存じかもしれない。そこでも妖怪が出るそうだ。
年末30日の午前中だが、妖怪はしっかり出てくれた。子供連れは嬉々として記念撮影をしていた。

途中、営業しているか、いないかよくわからないパチンコ屋があった。都会のキンキンきらきらではなく、場末感がすごい。

そろそろ目的地のある道の突当りに来ようかと思ったとき、野菜を売っている店が目に付いた。そこがクロだった。

既に四人の地元のお客様がいた。カウンターやテーブルでそれぞれの話に興じておられる。
オレンジっぽい木の床、レンガも混じった白い壁。天井を黒塗りの柱がささえている。
中央には黒光りするグランドピアノが置かれている。天井から店名の垂れ幕がかかっている。
クロ5
着席して、チャイ風紅茶を頼むと、小柄で美人のママさんからドローイングの展示のファイルを渡された。「良かったら名前書いてください」とピアノの上のノートを示された。
クロ2
入口に日付のあるフライヤーが貼ってあったので、ライブの案内と思っていたら、絵だった。若いアーティストの画廊のようなこともしているようだ。住所を書くわけでもないので、名前を書いておいた。

スピーカーの位置が全くわからなかった。天井?、壁? 不審がられないように見ると座った椅子の後ろに一つあった。テクにクスのロゴ。上から見ると四角ではないので、後で調べればわかるかもしれない。
クロ3

曲は1曲ずつ選曲されたものがかかっていた。音量は小さくBGM程度だった。Chick CoreaのReturn to Foeverがかかった。
音量を測ってみたが45db。それとて人の声、テレビの音などを含めての音だ。

山陰山陽ジャズロードには、先代が亡くなった後、常連さんやミュージシャンが娘さんに店の継続を決意させた逸話が載っている。

果たして、この店の魅力とは何だろうか。店内を見渡してみた。一見の私には良くわからなかった。
レトロな喫茶店。年末のあいさつに来る近所の人もいた。ライブ演奏も聞け、普段でもジャズをBGMにくつろげる空間。
地元の人には特別な場所であるに違いない。

常連の方には、先代の姿が焼き付いているだろう。その姿は私には見えない。先ほど妖怪は見えたというのに。

写真を撮らせてもらうお願いをして、何枚か撮影。すると、ルアーのような魚をあしらったお土産品(700円)を案内された。その次に、先ほど見た絵の作者のお父さんが作ったという魚のはく製のようなものを紹介される。値段は16万円、台を含めると30万円になるとか。強く勧めるのではなく、淡々と紹介してくれる。どことなく商店街の売り子さんと近いような感じがした。
クロ4

喫茶クロ
鳥取県境港市中町26

クロ6
クロ7

追記:オーディオの足跡というページでスピーカーを調べるも、あの形状のエンクロージャーは見当たらず。プリメインはTechnics SU-7700なので、時間があったら、そこから調べてみよう。(2014-01-09 13:57)