「地獄の底に突き落とされた思い」-。大阪府南部の泉南地域でアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症した元労働者らの集団訴訟で、政府が国の賠償責任を認めた大阪地裁判決を不服として、控訴する方針を決めたことを受け、原告団・弁護団は1日、厚生労働省で記者会見し、抗議をした。控訴断念を求めてきた原告側も控訴する方針。

 昨年6月に夫の健一さん=当時(64)=を肺がんで亡くした大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団共同代表の佐藤美代子さん(65)は「国が控訴すると聞き、地獄の底に突き落とされた思いで一杯です。生活のために身を粉にして働いてくれたパパに何と報告していいか分かりません」と涙ながらに訴え、悔しそうに手にしていたハンカチを握りしめた。

 22年前に夫を亡くした原告の原まゆみさん(66)は、自らも46年間、アスベストの紡織工場に勤務した経験があり、現在、肺を患っているという。

 原さんは「夫はようやく自宅を建てた直後、43歳で突然、亡くなった。これまでも、『息がほしい、息がほしい』と苦しみながら死んでいった人をたくさんみてきた。鳩山(由紀夫)首相や国の関係者は原告の顔を一度も直接見ていないのに控訴を決めるなんてひどすぎる」と訴えた。

 石綿の工場で働き、がんのため右側の肺を摘出した原告共同代表の箕田努さん(67)は「大阪地裁で光のある判決をいただいたのに、国の控訴の方針を聞き、本当に怒りを感じています。最後まで闘いたい」と怒りをあらわにした。

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