15日にau、16日にdocomoが2012春夏モデルの発表会を行った。この発表会から『見えてくるもの』を見てみたいと思う。

今回auはスマートフォンを6機種、フィーチャーフォンを3機種、3G非対応のタブレットを1機種発表した。印象としては、物足りない印象であった。
一方、docomoはスマートフォンを17機種、キッズケータイを1機種、タブレットを1機種、Wi-Fiルーターを1機種と合計20機種という量を発表した。

2012年は実は携帯キャリア各社にとっては、変革の年なのである。
800Mhzの再編であったり、700・900Mhzの割り当てであったりと電波の面で大きく変わる。

こういった状況があってもさほど変化がなく済むのがdocomo。xi(FD-LTE)を先行で開始しているため、あとはFOMAからxiへの移行と並行して電波改善、端末の充実をはかれば過去のdocomoなら大丈夫であった。その為、この春夏に勝負を仕掛け端末の数を増やしたり、らくらくフォンのスマートフォン版+専用のプランを用意したり既存顧客の囲い込みに出ているのだ。買い控えをされないように、16日の質疑応答でdocomoの山田社長は、記者からのiPhoneの取り扱いの是非について『しゃべってコンシェルなどの独自機能がのせられないと厳しい。アローズでもギャラクシーでもどの端末でも同じ機能が使えることを目指したい。そういった意味では、オープンなプラットフォームのAndroidが中心。』と発言し改めてすぐにiPhoneを取り扱うことはないと否定した。
docomoの今回の端末の量は、こういった狙いがあるものと思われる。

一方、auは今回docomoの20機種の半分以下の9機種しか発表していない。理由は、本来2012年12月開始予定であったFD-LTEの前倒し開始があるだろう。恐らく、9月か10月には開始したい考えだろう。そして、その頃にはiPhone5も発売されるいう計算ではないかとも思う。その為に春夏はそこまで端末に力を入れずに、3M戦略の1つであるauパスポートに力を入れて早めの発表で認知度をあげてLTEの開始で一気にシェアを伸ばそうしているのではないかとも思う。

ソフトバンクがなにも動きを出してないのがある意味不気味である。

docomoは、これまで同様に『端末』と『サービス』をセットで勝負していくと思われる。
auは、3M戦略通り『回線』と『付随サービス』でauの販売していない端末でもサービスを受けられるように勝負していくつもりであろうと思う。

2012年は携帯産業になにかが起こる年である。