ガラス細工
「おはよう!」
部屋の中から 外を見ると 霜が降りている朝は 庭がまっしろ
そして 植木鉢の中の パンジー
今触ったら ポキポキ パラパラ 花びらが粉々になるんじゃないか?
ちょっと触ってみると このガラスの破片のような 氷がさらさら~っと落ちる
ダイヤモンドのかけらのようで どうしても掌に握りたいけれど
掌に落ちたとたん この尖ったガラスの破片は たちまち 手の上で水玉に
そして 日光があたると あの ガラスまみれだったのが 嘘のように
花びらは ふんわりやわらかく
氷に磨かれたみたいに 濁りのない色で ・・・・・ 花びらは ふわふわ
今夜あたりから また寒くなるそうだ
三寒四温・・・
「三日間寒さが続いたら 四日間暖かい日が続く
それを繰り返して だんだん温かい春になるんだ」
「本当? 三日寒いのを我慢したら 四日間あたたかいの~?」
50年も60年も前
学校へ行く前 焚火にあたりながら 親子でそんな会話
焚火で温めた石をポケットに入れて
「いってきま~す」