今日は久しぶりに窓を開けていた。
私は後何回この白い部屋のベッドからの景色を見れば家に帰られるのだろうか。
・・・なーんてね、私はもうすぐ死んでしまいます。この前、お医者様とお母さんに言われました。お医者は悔しそうに、お母さんは私のベッドにしがみついて泣きながら。
でも不思議なことに私は全然泣きませんでした。
あ、私はいたってふつうの女の子ですし、別に泣けない病気をもっているとか死が怖くないとかそういうわけではありません。
一つ理由があるとすればお兄ちゃんがどんなときでも「お前はきっと治るから」って言ってくれてたからだと思います。
だからこそ私は笑っていられる。心が壊れずにいられる。
「さて、そろそろ寝ようかな」
眠気に誘われて私はベッドに潜った。
「明日はまたお兄ちゃん来てくれるかな」
お日様のいい匂いのする布団を少し深くかぶって私は目を閉じた。
今日は久しぶりに窓を開けていた。
7月1日AM3時
天川 唯・・・死亡
ヴァンガードの情報や大会感想、たまに好きなアニメの感想を書いてます
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