街の電器屋さんではあまりやらないかも知れませんが、アンケート等でお客様の声を集める、という手法は良く使います。

お客様の客観的なご意見を伺ってサービス改善につなげる、というアレですが、結構辛らつなご意見も集まってしまい凹む、という理由でやりたがらないお店さんも多いですよね。

ボクもそれ、やらない方がいいと思います。というか、「ご意見」はわざわざ集めなくてもいい。

■「ご意見」をお願いされると人は粗探しをしたくなる
「ご意見・ご要望をお寄せください」と言われると、その店の至らない所、改善して欲しい所を書こう、となるのが普通です。逆に言うと、お店に満足して下さっている方はわざわざ書かない。

結果、厳しめのご意見が集まりやすいという訳です。集めた以上はそのご意見を無視する訳には行かないですしね。

ただそのご意見の主がお店を一番理解し、ご利用下さっている方々と必ずしも重ならないのが、難点なんです。頂いたご意見に応えて改善すると、肝心のお得意様が喜ばない結果になり兼ねません。これが「軸がぶれる」ってヤツです。

■自店の何が良くて選ばれているのか?
ボクが主催したセミナーで過去、比べてみたことがあります。前者は「ご意見をください」というアンケート。

アンケート1ご意見・ご質問等お聞かせください

これに集まった「ご意見」はこんな感じ。
・レジュメを読むだけでつまらない
・質疑応答に時間を割くべき
・声がこもって聞き取りにくい
・1つ1つの内容の掘り下げがない

真摯に受け止めなきゃいけないんだけど凹みますよね・・・。


一方後者は「良かったこと」を聞いたアンケート

アンケート2良かったことをお聞かせ下さると嬉しいです

これに集まった「良かったこと」は・・・

・人柄がにじみ出る研修、大変よかったです
・商売っていいなぁと、元気づけられました
・アトムは商売に対する気持ちが
 健全な方ばかりで、安心しました。
・今後の活動にとっても参考になりました

とってもありがたいお言葉ばかりです。同じ人間が似たようなテーマで話している、何なら参加者さんも1/3くらいは同じにも関わらず、です(笑) これは相手じゃなくて聞き方の問題。

■お得意様の「良いお声」が良いお客様を連れてくる
もちろん商品やサービスに問題が起こった時は真摯に向き合い、改善する必要があります。それは当然のこと。

ただ常時、ご意見を聞きすぎるとお店を本当に贔屓にして下さっている方の声が届きにくくなるんですよね。良いお客様ほどご意見とか言わないものだから。

後者のようにお得意様があなたのお店があって良かった、というお声は、例えばホームページや自店紹介チラシに組み込むことで、同じ感性を持つお客様に大いに訴えかけてくれます。自分達が誰のために仕事をしているのかもよく分かりますしね。

ご意見を聞きすぎて疲弊してはいませんか?そんな時には「私たちとお付き合いして良かったことをお聞かせ下さい」、試してみて下さいね。見てくれている方はちゃんと見てくれていますよ。

それでは今日も良い1日を☆

この記事を書いた人:メオマサユキ

meomasa地域電器店専門の販促・経営アドバイザー。
1972年大阪生まれ。大学卒業後、会計事務所に約12年勤務。2009年より町の電器屋さん「アトム電器」を展開する㈱アトムチェーン本部に勤務。
2012年より始めたご加盟の電器店さんとの個別経営面談会もおかげさまで200件を越えました♪(プロフィール