開始当初から頭を抱えさせられたこの作品もついに最終回。

運命の果実を分けることの意味。高倉家の運命。

全てが語られたわけではありませんが、後は視聴者に委ねられたと言う印象。

というわけで、自分なりの解釈という名の妄想を書き連ねたいと思いますw



冠葉も晶馬も陽毬も、元はといえば「いらない子」として子供ブロイラーに連れて行かれた身。

普通ならそのまま全員「透明な存在」になるはずだったのでしょうけど、

選ばれた冠葉のもとには生きる道へ繋がる「運命の果実」が転がっていました。


これを独り占めせず、晶馬にも分け与えたことが全ての始まりだったのですね。

さらに晶馬が分け与えられた命を陽毬に分けることで3人は兄弟となり、

命を分け合う存在になりました。「命=運命の果実を分けることが罪」というのは

なんとも理不尽ですが、その理不尽な世界だからこそ桃華は変えたいと思ったのかもしれません。


対する眞悧はというと、単純に世界への復讐という解釈でいいのでしょうか?

あまり彼については深く語られなかったですよね。なんとなく彼が今の世界に縛られていて

乗り換えたあとの世界にはいけない、というような描写はありましたが、

縛られている理由がわかりません。過去に犯した罪が理由なのかもしれませんが、

全ての原点が世界に対する「復讐」であるなら、その「復讐」を目的とするようになった

出来事くらいの掘り下げはしてほしかったものです。

まあこの作品に置ける「黒幕」のような立場、というのはわかりやすくてよかったですけど。




さて、改変された後の世界ですが、苹果は「乗り換え」の代償を払うことがなくなったので

普通に陽毬の友人として存在しました。でもその世界には一番普通であるはずの

兄弟の姿がない。陽毬が冠葉に返そうとした命は結局受け取らなかったのですよね。

こうして陽毬が生きる世界へ乗り換えたわけなのですが、晶馬が代償を払って

消えてしまったというのには驚きましたね。そんなことができるのか、という驚きは

もちろんですが、それ以上にOPで走っていく先が陽毬と同じだったので

完全に生き残るものだと思っていたのですよね。



個人的にいいな、と思えたのはやはりペンギン。

運命を乗り換える際に兄弟が修理した思い出のぬいぐるみを

ちゃっかり持っていくシーンには感動しましたね!

それ以上に、乗り換えられた世界で陽毬がぬいぐるみを見つけるシーンは

ありがちですが良いシーンになっていました。

あの手紙をきっかけに乗り換える前の世界を思い出していたのでしょうか…

なんにせよ、泣けます・°・(ノД`)・°・



3人の兄弟が兄弟でなくなってしまうという点をみると少しバッドエンドにも見えるのですが、

乗り換えられた世界に冠葉と晶馬の姿が見られたのには救いを感じましたね。

おそらく、陽毬と兄弟になることなんて二度とないでしょうけど、

この二人だけは兄弟としてこの世界に存在することが出来たのだと考えると

救いのない話でもないような気がしました。偽りの兄弟ではなく本当の兄弟になれたのですから。

彼らの行先はおそらく「運命のいたる場所」。もう大切な人を守るという

重要な役目は終わったのですし、もうこれ以上運命を変える必要もありません。

今後この兄弟がどんな運命にあるのか、非常に気になるところです。





総評としては、やはりこの作品は未完だ、といった所でしょうか。

それでも最終回としての満足度は高かったですし、演出の美しさや

作画、音楽などどこを取ってもかなりレベルの高い作品だったかと思われます。

もしこの作品が普通にストーリーをなぞるような魅せ方をしていたなら

ここまでの作品にはならなかったでしょうね。やはりそこは監督やスタッフ様の

センスが素晴らしかったからなのではないでしょうか。



見終わった後に得た満足感をうまく文章には出来ていないような気がしますが、

これは最終回までみた人が大体皆感じることなのではないですかねw

言葉にはできないけど素晴らしい。みたいな。(ただ単に語彙が少ないだけw


とにかく良い最終回でした!終始頭を抱えさせられる事になった作品ですが

頭を抱えさせられるのも楽しかったですし、無茶苦茶な考察をしたりするのも楽しかったです。


この作品に関わったスタッフ・キャストの皆様お疲れ様です!








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