原題:Night of the Living Dead
1968年(米) 上映:1h36
監督:ジョージ・A・ロメロ 
脚本:ジョン・A・ルッソ 
出演:ジュディス・オディア/デュアン・ジョーンズ/ラッセル・ストライナー/カール・ハードマン/キース・ウェイン/ジュディス・リドリー/マリリン・イーストマン/ビル・ハインツマン/他

母の墓参りの途中、バーバラと兄のジョニーはゾンビに襲われた。妹を守るため兄は犠牲となる。恐怖と悲しみの中バーバラは近くの民家に立てこもる。民家には黒人青年のベンのほか、若いカップル、中年夫婦と大怪我を負ったその娘が集まってくるが、外部との連絡が取れない中、周囲は生ける屍の群れに取り囲まれていた。バーバラたちはテレビを通して、甦った死者たちが人間を襲って食い殺していることを知り、なんとか脱出しようと試みるが・・・。

ニューヨーク近代美術館にも所蔵される、言わずと知れたゾンビ映画の金字塔的作品(因みに作品内に「ゾンビ」という表現は登場しません)。ゾンビが登場する最初の映画ではもちろんありませんが、「死者が蘇り生者の肉を喰う」というアイディアが後の同ジャンル作品に与えた影響は計り知れません。

今更ながら観ましたが、確かに面白かったです。恐いというよりも何とも言えない不安感が、唐突に始まる冒頭から衝撃のラストまで続きます。低予算であったため1968年制作ながらモノクロ作品ですが、これがプラスに働いていて、作品の根底に流れる社会風刺的なシニカルさと上手くフィットしています。

なお続編については少々ややこしいことになっています。実はロメロ監督は続編制作権を持っていないため、正式な続編は本作の脚本を手掛けたJ・A・ルッソによる『バタリアン』(’85)(原題は『Return of the Living Dead』こちらはこちらでシリーズ化が進み、第5作まで制作)。ただ一般的には、本作、『ゾンビ』、『死霊のえじき』でG・ロメロ監督の「ゾンビ三部作」(近年『ランド・オブ・ザ・デッド』が制作され四部作に。ロメロ監督は更に追加を計画中とのこと)とくくられることが多いです。

タイトルの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」は「生ける屍(リビング・デッド)の夜(ナイト)」。因みに、「ゾンビ三部作」の残り2作品は「夜明け(Dawn)」、「昼(Day)」と続きます。

●関連作品●
『ゾンビ』('78)
『死霊のえじき』('85)
『ランド・オブ・ザ・デッド』('05)
『バタリアン』('85)
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/死霊創世紀』('90)  リメイク
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/最終版』('99)

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