原題:The Exorcism of Emily Rose
2005年(米) 上映:2h00分
監督:スコット・デリクソン 
脚本:スコット・デリクソン/ポール・ハリス・ボードマン 
出演:ローラ・リニー/トム・ウィルキンソン/キャンベル・スコット/ジェニファー・カーペンター/コルム・フィオール/他

ある深夜3時、大学寮で寝ていた19歳の女子大生エミリー・ローズは焦げ臭いにおいで目を覚ました途端、原因不明の痙攣や幻覚に見舞われる。以来、症状が悪化し、病院でも改善が見られない彼女は自宅で療養する。やがて、自分の中に何かが取り憑いていると確信したエミリーは、リチャード・ムーア神父に全てを託す。だが、彼の懸命な悪魔祓いも空しく、エミリーは無惨な姿で命を落としてしまう。神父ムーアは過失致死罪で起訴され、彼の弁護には野心的な女性弁護士エリン・ブルナーがあたることに。エミリーは精神病で、薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検事側に対し、エリンはムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく・・・

1976年に死亡したドイツ人女子大生アン・ミッシェルの実話がベースとなっている作品。『エクソシスト』('73) と同系統のオカルト・ホラー映画と思いきや、おもいっきり法廷ドラマでした。

本作が単なる創作であったならどうってことはない話ですが、「実話が元になっている」という点がポイントで、これが話に重みを与え、色々と考えさせられました。宗教が根深く存在する欧米の人々のメンタリティ、真実より弁護士のテクニックによって左右される法廷、全てを既存の「型」にはめて判断しようとする現代医学、そして「信じる」というどういうことなのか、等々。

心霊や超常現象のオカルト描写は控えめで、あくまで法廷サスペンスに徹したのが良かったです。ラストは少しあっさりしすぎ・・・?

J・カーペンターの鬼気迫る「悪魔憑き」の熱演はスゴイの一言。弁護士役のL・リニーや神父役のT・ウィルキンソンも地味ながら頑張っていました。

因みに、今でもアン・ミッシェルの墓には巡礼に訪れるキリスト教信者が絶えないのだそうです。

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