原題:Eyes Wide Shut
1999年(米) 上映:2h39
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック/フレデリック・ラファエル/アルトゥール・シュニッツラー(原作)
出演:トム・クルーズ/ニコール・キッドマン/シドニー・ポラック/マリー・リチャードソン/トーマス・ギブソン/リーリー・ソビエスキー/他

ウィリアム・ハーフォードは、9年前に結婚した美しい妻アリスと7歳になる娘とともにニューヨークで暮らす裕福な内科医。ある晩、知人宅で催されたパーティから帰った後、彼は寝室で妻から「家族で出かけたバカンス先のホテルで視線を合わせただけの海軍士官に心惹かれ、ウィリアムに抱かれながら、その男のことを考えていた」という告白を聞かされる。これまで知らなかった彼女の一面を垣間見て動揺したウィリアムは、海軍士官にアリスが抱かれている妄想が頭から離れないまま、深夜の街をさ迷い歩く。やがて、医学部時代の同級生を通じて郊外で開かれている秘密のパーティの存在を知ったウィリアムは、そのパーティに紛れ込むのだが・・・。

あのS・キューブリック監督の遺作です。一見難しいようで実は非常に単純な作品なのでは。一言でいうと、まるで実生活・現実のような作品でそういう意味ではリアリティがありました。

実際の生活というのは、決まったストーリーがある訳ではなく、常に様々な出来事が同時進行で行われていて色々経験しながら一喜一憂していくのが人生です。本作は主人公の夫婦が体験する色々な出来事の中のごく短期間に焦点を当てています。ということで、宣伝コピーにあるような「思わぬ事件に巻き込まれ~」とか「禁断の扉を開ける~」を期待して観るとガッカリすると思います。実生活にそんなドラマティックなことなんて滅多にないわけですから。

また、R-18指定の割には、エッチ描写は大して過激ではありませんが、妙に生々しいので個人的には合格点です。

通常は「eyes wide open(アイズ・ワイド・オープン)」(「目を見開く」という意味)となりますが、タイトルでは「閉じる」という意味の「shut(シャット)」となっています。「Eyes Wide Shut(アイズ・ワイド・シャット)」とは、一昔前くらい前の映画の中で女学生が猥褻な物を見たときにやる仕草、つまり「手で顔を覆いつつも、その手の間からしっかりと見る物は見ている」というような状況(状態)のことです。

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