江戸の離婚は『三行半』
最近は女性の方から離婚を申し出るケースが増えているようです。
特に団塊世代の男性は退職後に突然、奥さんに言われて「何故だ!」と絶句することも珍しくない時代です。
妻が直接的に離縁を申し出るということが原則としてできなかった江戸時代。離婚は夫の離縁状、通称「三行半(みくだりはん)」によって離婚が成立、とされていました。
三行半というのは、文字通り離縁状が3行半で書かれる事が多かったからついた呼び方です。
三行半の文言の一例を挙げますと、
其方事我等勝手ニ付此度離縁致し候
然ル上ハ何方え縁付候共差構無之候
仍如件
というもので、夫が妻を離婚するという離婚文言と以後再婚してもさしつかえないという、再婚許可文言とから成っています。
三行半の離縁状は、離別状、去状、暇状、隙状などとも言われています。
本日のカラオケは「妻恋道中」
作詞:藤田まさと 作曲:阿部武雄
好いた女房に 三行り半を
投げて長脇差(ながどす)永の旅
怨むまいぞえ 俺等のことは
またの浮世で 逢うまでは
惚れていながら 惚れない素振り
それがやくざの 恋とやら
二度と添うまい 街道がらす
阿呆阿呆で 旅ぐらし
泣いてなるかと 心に誓や
誓う矢先に またほろり
馬鹿を承知の 俺等の胸を
何故に泣かすか 今朝の風
※ 「どす」とは短刀のことです。長い短刀が、長脇差
町人が持てるのは刃渡り一尺以上、二尺以下の長脇差です。
江戸時代、庶民は二尺を超える刀の所持が禁止されていました。
武士の刀 常寸は二尺三寸(70cm)