これで大丈夫?最高検次長呆れた「会見」の中身
(週刊現代2010/10/30号)

検察始まって以来の一大不祥事となった、大阪地検特捜部の証拠改竄事件を捜査する最高検は、連日記者の求めに応じ、会見を行っている。
13日の会見では、「検察内部で起きた事件を、検察自身が捜査する」という点が問題になった。この日会見に立った伊藤鉄男・最高検次長検事はそれに対し、こう息巻いた。
「第三者を捜査に、という話ですが、第三者って誰がやるのか、経済的な意味も手続き的な意味も含めて、本気で仰っているなら、(捜査が)もっとずっと遅くなりますよ」
そして伊藤次長検事は、いきなり経費の話を始めたのだ。
「もし民間の人(弁護士)を入れていたら、タイムチャージ(時給)5万円くらいでしょう、一人あたり。8時間労働で一人40万円。最高検のように20人が働けば、一日1000万ですよ!40日で4億円。民間、民間と言いますが、なかなか理解されないかもしれませんが」
さらに伊藤氏は、「最高検は、これでもか、というくらい、寝ないで仕事をしているわけです」とこぼしてみせた。
かつて、集団食中毒事件を起こした雪印の社長が記者に囲まれ、「私だって寝てないんだ!」と〝逆ギレして顰蹙を買ったが、伊藤氏の発言は、それに近いものを感じさせる。居合わせた記者のなかには、失笑する者もいた。
「捜査にカネがかかるという話と、身内の捜査では限界があるという論点はまったく別でしょう。最高検の大幹部の発言とは思えない」(司法担当記者)
検察の組織としての弱体化は、こんなところにも表れているのではないか。