「検閲好きのネットウヨ」という自己撞着 | 飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆

「検閲好きのネットウヨ」という自己撞着

この記事は、予告通り削除したエープリールフールの日の記事に関連したものです。

ただ、これは中高生向きの社会の授業なので「今更当たり前なことを書くな」と
思われる方は、読む必要はありません。
でも、この種のことを余り考えたことがない理系の方や、受験勉強の暗記以外
には「社会」のことを考えてこなかった方は、読む意味があるかも知れません。

では、始めます。
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私はあなたの意見には賛成できないが
あなたがそれを言う権利は
命を賭けても守るつもりだ

これは言論の自由に関するヴォルテールの余りにも有名な言葉です。

勿論「言論の自由」は、あらゆる民主国家の根幹を支える概念です。

(以下、*は広辞苑から引用)

*ヴォルテール ((本名 Fran_ois Marie Arouet) フランスの作家・思想家。啓蒙主義の代表者。
理性と自由を掲げて封建制と専制政治および信教に対する不寛容と闘い、たびたび投獄、また、
イギリス・プロイセン・スイスに滞在。著は「哲学書簡」「哲学辞典」、歴史研究「ルイ一四世
の世紀」「風俗史論」、諷刺小説「カンディード」、その他劇詩・叙事詩など。(1694~1778)

彼を含む啓蒙思想家に大きく影響を受け、これも中学で習うほど有名なフランス革命が
起きました。それを支える思想を端的に表しているのが人権宣言です

*フランス人権宣言(_(D_claration des droits de l'homme et du citoyen フランス) 人民の自由・
平等の権利に関する宣言。一七八九年八月、フランス革命当初、ラ=ファイエットらの動議に
基づき、憲法制定議会によって裁決。前文および一七条から成り、主権在民、法の下の平等、
所有権の不可侵などを宣言。)

第10条 何人も、その意見の発表が法律によって定められた公共の秩序を害さない範囲内に
おいては、その意見のために妨害されることはない。宗教上の意見についてもまた同じである。

第11条 思想および意見を自由に交換することは、人の最も貴重な権利の一つであるから、
各公民は、法律の定めた場合におけるこの自由の濫用にたいして責を負う外は、自由に
言論し、著作し、および出版することができる。

アメリカの憲法は箇条書きの下書きのような格調の低いものです。それでも、歴史
を重視する立場からか、もっと格調の高い人権宣言のような文章に改正することは
しないようです。言論の自由を含む「権利の章典」が後から付け加えられたこと
からも、独立戦争当時、この憲法がドタバタで決められたことが伺えます。

フランスの人権宣言の二年後という修正時期は、これが人権宣言の強い影響を
受けている証左でしょう。

*合衆国憲法修正箇条
〔修正第一条から第一〇条までは、合衆国憲法の「権利の章典」(Bill of Rights)
 と呼ばれる。一七九一年確定〕

修正第一条 連邦議会は、国教の樹立を規定し、もしくは信教上の自由な行為を禁止
する法律、また言論および出版の自由を制限し、または人民の平穏に集会をし、また
苦痛事の救済に関し政府に対して請願をする権利を侵す法律を制定することはできない。

時代は百五十年以上下りますが、その流れの中で生まれたのが日本国憲法です。

あれは決してウヨの皆さんが言うように、アメリカの日本支配に都合の良いように
米軍が決めたものではなく、人権や平和の理想に燃えていた民政局のリベラルな若者
たちが、自国で様々なしがらみから文章化できなかったことを、新生日本という格好
の素材を利用して明文化したものという見方ができます。

特に九条は、日本の非武装化という占領政策もありますが、それより第一
次世界大戦の反省から生まれたパリ不戦条約の流れを強く受けています。
しかし、これは「自由」の話から大分逸れるので、ここでは省略します。

*日本国憲法(一九四六年一一月三日公布、翌四七年五月三日から実施。)

第21条〔集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密〕
(1)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
(2)検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

この自由思想の流れを翌々年、普遍的なものとして国連が追認したのが世界人権宣言です。

*【世界人権宣言】
一九四八年の国連総会で採択された宣言。前文と本文三○ヵ条から成る。
法的拘束力はないが、国際的にすべての人およびすべての国が尊重しな
ければならない人権の共通の基準を示したものとして重要な意義をもつ。

第18条
すべて人は、思想、良心及び宗教の自由を享有する権利を有する。この権利は、
宗教又は信念を変更する自由並びに単独で又は他の者と共同して、公的に又は
私的に布教、行事、礼拝及び儀式によつて宗教又は信念を表明する自由を含む。

第19条
すべて人は、意見及び表現の自由を享有する権利を有する。この権利は、干渉を
受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を
越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め受け及び伝える自由を含む。


ということで、「リンクを外せ」とか「こういうことは書くな」と要求する
ことは、個人による「検閲」です。表現の自由に対する「干渉」です。

ですから、ネットに沢山書いている私はただの一度も、削除要求をしたり、
「~~というようなことは、今後書かないで欲しい」と頼んだことはありません。

ただ、議論は大切なので、前回のように「どういう根拠でそういうことになるのですか?」
と、議論を仕掛けることは時々やります。でも、これこそ言論の自由なんです。

ただ、その議論に相手が答えないで同じことを書き続けるときは、それをやめ
させることは他人の私にはできません。それは相手方の表現の自由だからです。

しかし、議論を公開することで、それを読んでいる人達に判断して貰うこと
も、相手に意見を変えて貰うこと以外に、「自由な議論」の目的なんです。


しかし、国家にさえ国際的に禁止されている検閲を、何の権力もない一般人が
やらかそうというのですから、勘違いも甚だしいというか気宇壮大なお話です。

これがウヨの皆さんがネットでよくやっている、「左寄りではなく自分の
意見を『自由に』表現しているページに対する削除要求」なんですね。

ウヨの皆さんが好きなアメリカの根底にある「自由」を否定して、大嫌いなはずの
「検閲国家」の中国や、もっと検閲やり放題のキムさんのお国のやり方を自分たちが
をやっていることくらい、中学生でも社会の勉強をしていたら分かる筈なんですが。。

それに、私がきっこの日記で一番好きなのは、「母さんネタ」で次が
「猫ネタ」、三番目が「俳句ネタ」なんですね。

きっこの日記を読んでいるからと言って、私がその中の政治ネタが好き
だと決めつけているのも、対象を知らないのに批判している証拠です。

政治ネタはまあ自分の考え方と似たようなものなので、それだけだったら
私はブックマークはしません。
パチンコネタとゲームネタには、それらに縁のない私は辟易しますが。。。(^^;;

それから、お勧めブログではなく「ブックマーク」なんですから、
私が読みに行くのに便利なようにリンクしているだけなんです。
別に他人に読めと言っているんじゃありません。

何しろ、私はネットできるのは市のPCだけなんで、公共のPCのお気に入り
に自分の読むページをブックマークするわけにはいかないということもあります。

と言っても、あの煽りをしている人は、私の過去の記事なんか何も読まないで
「きっこ ブログ」ででも検索して、削除しろと言ってるだけでしょうから、
そんなことも知らないんでしょう。

それにしても、数十万字はある私のブログの中から「きっこさんのブログ」という
9字に脊髄反射するのですから、重箱の隅もここまで来ると恐れ入るほかありません。

まあ、私は月配列のUジローさんのお陰であの日記を知りました。ですから、
私のように今まで知らないで、リンクに行ってみたら気に入って読者になる
人もいるでしょう。そういう意味でも、人様のお役に立つのでブックマーク
をしているということもあります。

批判は結構ですが、そういう人はきっこさんの文章、ろくに読んでない
んでしょうね。私は、ブログのアーカイブの文章に「全て」目を通して、
読む価値があると思うのでブックマークしているのです。

削除要求するのなら、自分でも全部読んでからするのが当たり前なんです。
でも、それをするような人は削除要求なんてことは、自分がきっこさんの
記事で批判されている当事者ででもなければ、最初から絶対しないのですが。

ウヨの皆さんは左寄りだと決めつけて、自由を基本としている人達
のページを読まないようにネットの色んなところで書いています。
でもそれ、余りにお手軽で稚拙なやり方なんですね。

きっこの日記を読んで欲しくないのなら、自分でそれ以上のものを書く、
少なくとも書こうと何年もかけて修行する努力くらいしないでどうする!

配列ごときでも八年も掛かるんだから、それはもっと大変なのは覚悟しないとね。。

板違いスレ違いでも、そうしていたらまだリンクを貼る意味もあるってものです。


右翼や国粋主義も、「真性」なものには奥深いものがあるようなので、右翼思想も
ちゃんと勉強して、詳しく論じてあったら私も少しは読む気がするんですが。。

まあ、確かに日本国憲法が国際的な流れに沿っているものだと言っても、
あれは西欧思想の精華のようなものですから、日本は東洋的、日本的な
思想から憲法を書くという行きかたもあり得ます。

でも、それをやるには四書五経なんかは勿論、古事記や日本書紀、本居宣長とか
中国・日本の思想や歴史を物凄く深く勉強しなくてはなりません。

その上、私に読ませるには「母さんネタ」と「猫ネタ」は必須です。
それに活字人間の私には毎日数千字の文章を書くことも欠かせません。
長文書きに欠かせない、文体のお手本になれる文章品質も必要です。

そういうものに、右フレーバーをまぶした国粋主義なブログを、
飛鳥スレのあの方には作って欲しいものです。

でも、そんな高級なことできます??

できないから削除要求ですか?でも、上で詳しく書いたように、それだと
お隣のキムさんと同じことを自分がやっていることになるんですよ!

それでもいいんですか?

自分で書けないのなら、少なくとも削除要求と共に、きっこの日記レベルの
文章量と品質を持つ右寄りのHPやブログを探し出して、リンクを貼るくら
いの工夫をして欲しいものです。

まあ、そんなものがあったらの話ですが。。。


あっ、それからネット自体が「表現の自由」があればこその存在です。
何だかんだ問題は多くても、アメリカは自由の国ですから、米軍用に
作られたインターネットが民間に開放されたんです。

自分たちがその自由なネットを使って自由を抑圧する意見を言っている
という矛盾に、ネットウヨの皆さんもいい加減気付いて欲しいものです。


以上、ネットでのインスタントウヨの横行に辟易していたので、前回の記事を書いた
ついでに、配列には無関係なのですが、今まで言いたかったことを書いてみました。

なんたって、「自由」は配列なんかより百億倍大切なことです。個人の自由に干渉
する手合いが飛鳥周りで出てきたら、私も黙っているわけにはいかないんです。

その重要性に比べたら、飛鳥スレが乱れるなんてどうだっていいことですからね。

今すぐ上で、私はこの話題は「配列と無関係」と書きました。でも考えたら
関係あるんですね。月だってSKYだってネットという自由な発表の場が
あったからこそユーザーが存在するんです。

飛鳥も、飛鳥が飛鳥になる前からHPで発表していました。もし、ネットが存在
しなかったら飛鳥は前世紀の「キスも好き配列」くらいで終わっていたはずです。
自分が打ち易いためだけだったら、そんなに無気になって追求しませんからね。

出版などと違い、ネットは歴史上初めて、万人に発表の場を解放しました。
文章での表現の自由が一部の物書きにではなく、誰にでも与えられたのです。

ですから、ネットウヨの皆さんも、言いたいことがあるのなら、削除要求など
と姑息なことをするより、HPやブログで堂々と論陣を張って欲しいものです。
出版と違い、HPやブログという手段は既に与えられているのですから。

あと、書き忘れましたが私がきっこさんのところにリンクしている理由で、
飛鳥に関わりのあることが一つあります。

つまり、飛鳥はああいう文系の長い文章を毎日大量に打つ人にこそ
使って欲しいということなんですね。

それに、きっこさんが飛鳥人になってくれて記事で取り上げて貰ったら、毎日
十万人とかが読むのですから、飛鳥の普及にも拍車が掛かると言うものです。

ただ、きっこさんへのメールは私のようにフリーメールから出すと
即ゴミ箱入りです。どなたか、自分のメルアドから代わりにメール
してくれる人がいたら助かるので、申し出て頂くと嬉しいです。

しかし、きっこさんは恐らくローマ字で打っていると思いますが、
毎日あんなに沢山ローマ字で打つと、腱鞘炎が心配です。

きっと、きっこさんはピアニストになれるくらい指が器用に速く動くのだと
思います。一方できっこさん並に言いたいことが沢山あるのに、指先が思う
ように動かないために、書かないという人達も沢山いるはずです。

どんな分野であれ、より多くの人が自由に議論に加われることが、
言論の活性化につながり、その集団をより正しい方向に導きます。


飛鳥は手先がそんなに素早く動かない、超不器用な自身を含めた人達にも、
自分の考えを発表する場を与えられるというメリットを持っているという
ことも、私が飛鳥の開発にはまった理由なんですね。


でも、「自由ネタ」は今回で終わりにしたいと思っています。
配列などよりずっと大切な話題ですが、相手が大きすぎて、私のような
小者には力不足なので、今後は分相応に配列ネタをまた書くことにします。

本当は、多分kettさんが提案していた「おさも」の入れ替えやら、
971さんが言っていた拗音入力の複数キー同時打ちのことにレスしよ
うと思っていたんですが、そんなわけでそれは次の機会に回します。

何たってそういうネタは、「自由」より何百億分の一の重要性しかない
配列ネタの、その中の飛鳥の、そのまたほんの一部の問題なんですから。。


しかし、最初の方で引用したのは中学高校の社会や公民の教科書や資料集
に載っているんですから、今回の記事は中高生向きの授業だな。。(^^;;