以前に比べ、写真撮影OKな美術展が多くなりました。作品・空間すべてOKな展示から、一部作品や展示室に限定のケースまでさまざまです。勤務館でもこの流れに沿ってあれこれ模索中です。
以下は個人の雑感です。
美しい記憶を「画像」として記録できるのは素直に嬉しいです。絵はがきや図録を買わずとも、作品が楽しめるし、肉眼では見辛い小作品やその細部も、画像拡大でクリアに見ることができます。知人と画像を見せ合いながらの感想戦は盛り上がります。
わたしの鑑賞スタイルでは、写真撮影は最後位。「上手く撮らなきゃ」みたいな雑念が入ってしまうからです。
1.タイトル・キャプションは読まず、作品と対面
文字情報(先入観)なしの第一印象で、普段押さない感情のスイッチが入ったり、記憶の扉が開いたりするのが鑑賞の醍醐味かと。予期せず湧き出る感情、甦る記憶、降りてくる雑多な思いつきや想い・想像・妄想は自分だけの宝です。
日頃は理屈こねこね、左脳中心に過ごしているので、理屈をぶっ飛ばして入って来る作品の姿、佇まいや発するパワーを感じたい欲求が強いです。特に「美力」と「生きる力」!
2.文字情報確認
作品タイトル・キャプションを読んで、とんだ勘違いと分かることもありますが、それもまた楽し。
3.写真撮影
お気に入り作品の他、なぜが気になり放っておけない作品やキャプションを備忘撮影。気になる理由を後から掘り下げるのも楽しいです。(←自分発見の作業)
ただ、いいことばかりではなく写真撮影に伴う混雑や、シャッター音で鑑賞が十分に楽しめないことも。ある人気展では、わたしの顔横にスマホがあって驚いたよ、、、。中にはほとんどの作品&キャプションを撮ってるのでは?という方も。(図録アルバム作るんですかっ?)
写真OKなトレンド以前から、全館写真OKの松岡美術館では「音消」が条件付加され、音消しアプリ使用を推奨していました。撮影に伴う諸所は業界で最適解を模索中なんだなぁと感じます。
国立新美術館で開催中の『マティス』展(~5月27日)
マティスのステンドグラスがある礼拝堂の再現空間
原寸大!の再現。何としても作品の良さを伝えるんだっ!という意気込みというか、執念さえ感じました。感想などは別記事にて予定。