12月になり、忘年会シーズンになってきました。
取引先を接待することも多いかと思いますが、今回は接待交際費にかかるテーマです。
平成25度改正で、交際費等の損金算入枠が拡充されています。
従来は、
・定額控除限度額600万円
・10%の損金不算入割合
でしたので、例えば年間700万円の交際費を支出した場合(大企業除く)、
定額控除限度額600万円を超える100万円部分(=700万円-600万円)に関しては、損金に算入されず、かつ、600万円のうち10%部分は損金に算入されませんでしたので、60万円(=600万円×10%)も損金不算入でした。
したがって、700万円支出しても、160万円は損金算入されず有税処理されてしまっていたことになります。
今回の税制改正では、
平成25年4月1日以後開始事業年度からは、
・定額控除限度額800万円
・10%の損金不算入割合の廃止
となりました。
先ほどの例だと、700万円の支出は800万円の定額控除限度額範囲内で、10%の控除もなくなったので、700万円全額が損金に算入できるようになりました。
実効税率38%とすると、先の例だと改正前と後で160万円×38%≒60万円ほど税金が安くなる試算となります。
なお、適用時期が平成25年4月1日以後開始事業年度ですので、3月決算会社が一番早い適用となり、現在の平成26年3月期から適用となっています。
気を付けていただきたいのが、支出交際費の判定は、支出の事実があったとき(接待の行為があったとき)になります。ですので、クレジットカード等で平成25年3月31日の接待行為があり、平成25年4月以降にその支払いがあった場合には、平成25年3月期の交際費として今回の改正前の制度で処理しなければなりません。
決算期をまたぐ交際費の処理にはお気を付け下さい。
追記ですが、上記は今のところ大企業(資本金1億超)には適用されません。大企業は交際費(飲食交際費除く)は全額損金不算入となっています(租税特別措置法第61条の4)が、これは時限立法で、平成18年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度をその適用時期としています。
大企業にもこの損金算入特例を導入してはという意見もあるので、平成26年度の税制改正で何らかの見直しが行われるのではと個人的には思っています。
いつもお読みいただきありがとうございます。