先日の「夢の扉~NEXT DOOR」。今回のドリームメーカーは、コンピューター研究者の石井裕(ひろし)さん。番組HPでは次のように紹介しています。
現代社会ではコンピューターは無くてはならないものと言える時代を迎えています。ただ、コンピューターは日々進歩を続けているために、使えない年齢層を作り出している問題も抱えています。そこで、誰でも使えるものにしようと開発を続けている人がいます、マサチューセッツ工科大学(MIT)で教授として活動している石井裕さんです。
石井さんが推し進める研究はタンジブルという最先端技術。“触れる” “触れられる”という意味の「タンジブル」で、現実に触るだけで、誰でも簡単にコンピューターを動かすことが出来るタンジブル・ビッツという概念を世界で初めて発表しました。そして今、新たなインターフェースの創造に取り掛かっています。
このタンジブルが目指すイメージを番組では、フィリップ・K・ディック の原作をスティーブン・スピルバーグ 監督が映画化したトム・クルーズ主演の「マイノリティ・レポート」(2002)のワンシーンで紹介していました。
これに似たプロジェクトにユビキタスコンピューティング で、日本で取り組んでいるのが情報工学者 で東京大学 教授 の坂村健さんの「TRONプロジェクト 」ですね。
石井さんと坂本さんの研究がどのように絡み合い、あるいは、絡んでいないのかはよくわかりませんが、お二人が目指すのは「コンピュータということを人に意識させないで、人の生活を支援する技術、環境」というテーマという点では同じベクトルのように思います。お二人は、2004年にTRONプロジェクト20周年記念の「TRONWARE」誌上で対談しておられました。
番組では、石井さんが研究を進めるタンジブル技術として次の三つのカテゴリーを取り上げていました。
「クリアボード」 - タンジブル最初期の例。透明な板に、文字
や絵
を描くことで、遠隔地の同じ板にもそれを表示させることができる。電話
や電子メール
などよりも表現力豊かで、FAX
などよりも簡単な機器として注目を集めた。
「タンジブル防災シミュレータ」 - 地図
上に駒を置き、その駒をスイッチのように回したり、位置を変えることによって避難所の位置・災害発生地点・災害規模などを変更でき、実際の災害時に避難が可能かどうかなどをシミュレート
できる。NTTコムウェア
が開発。
「ミュージックボトル」 - 台座の上に瓶 を置き、その蓋を開けると、録音されていた音楽 などが再生される機器。瓶ごとに内容を変えることができ、複数の楽器の演奏を収録して合奏させることなども可能。
石井さんのモットーは「人の二倍働いて、三倍の成果を出す」。そして、短距離走選手ではなく長距離走選手として足腰を鍛えること。「未来は予測するものではなく、発明するものである」と語っておられました。
http://www.hitachi-system.co.jp/samurai/feature/32/index.html
http://ascii.jp/elem/000/000/053/53968/
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