将来のビジネスを考えるとき、多くの人にとっての悩み不都合がヒントになることが少なくありませんね。この悩みや不都合の事象にハイテクを駆使して解決策を講じることで、新たなビジネスを立ち上げ、そこにマーケットを創り出す。先日取り上げたアメリカの未来学者で経営コンサルタントのジェームズ・キャントン氏の著書「極端な未来」では、これから伸びる産業として、次ぎの10の業界を挙げています。
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<イノベーション経済における上位10業界>
1.製薬・医療産業;医学、薬学、外科手術の知識と治療法が大進歩を遂げ、健康長寿が実現される。
2.エネルギー産業;再生可能で、クリーンで、供給量が豊富で、安価な燃料が開発される。
3.製造業;革新的な生産工程が開発され、全世界的での需要に迅速かつ安価に対応できるオンデマンド生産・流通が可能になる。
4.通信産業;情報、人材、金融取引をリアルタイムに結ぶ新たなネットワーク技術が導入される。ソフトウエア、オンラインゲーム、プログラム、各種のコンテンツの開発が有望。
5.運輸産業;個人と企業の機動性、輸送能力、顧客開拓能力を増強する新たな物流管理システムが開発される。
6.セキュリティ産業;人命を救うとともに、社会、同盟国、私たち自身を守るための新たな防犯・セキュリティ技術が開発される。
7.娯楽・メディア産業;アイデア、文化、楽しみを共有するための新たな娯楽配信システムが実用化され、現行のインターネットや現在利用されている電子娯楽機器が、かつてのぜんまい仕掛けの玩具のように風変わりで時代遅れなものに見える日が来る。
8.教育・学習産業;アメリカ議会図書館に匹敵する規模を持ちながら、携帯でき、即座にデータを転送できるオンデマンド型知識ソースが実用化される。
9.知識工学産業;オンラインゲーム、ソフトウエア、プログラムなどの制作や金融システムの構築などを手がけ、個人や企業へのよりよい顧客サービス、娯楽、マーケティング戦略、企画立案サービス、管理サービスなどの提供を通じて価値創造する情報サービスが誕生する。
10.高機能スマート材料産業;ナノテク、バイオテク、ニューロテクの融合により、いかなる製品の材料としても使え、どの産業にもオンデマンドで対応できる、より高度で安全でクリーンかつ安価な新素材が開発される。
一方で、精緻なマーケティング手法で将来などを見渡さず、ただ端に、自分の好きなことを徹底的に掘り下げたことが多くの注目を集め世界に広がるということがあります。この100年で一気に隆盛を極め、現在衰退の辛苦を味わっている自動車産業、PC産業は、一人の青年の全くの趣味が高じたことから始まりましたね。これは、日本も同じ。
これについて、先日取り上げた日下公人さんの著書「数年後に起きていること」では次のように記しています。
カラオケ、マンガ、アニメ、コンピューターゲーム、フィギュア、ドラマといった、日本から世界に広がる世界に広がる文化商品で注目してほしいことは、もともとは自分たちのためにつくったもので、儲けるというよりもまず自分が楽しんでいるという点である。それを後進国や中進国が、その文化に憧れて買ってくれるから、いつのまにか国際的高付加価値商品になっている。
- よく考えてみると、日本の未来はこうなります。/日下 公人
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- 本書で日下さんがニュービジネスのヒントとして挙げるのが、<健康・社交・学校・信仰・恰好>という五コーです。日下さんはこの五コーに関して詳述はしていませんが、この五つの項目は少子高齢社会を念頭に置けばピンとくるものですね。この分野は、IT技術を駆使することでもローテクのみでもビジネスの立ち上げが可能な要素があります。これから起業や就職を考える方は参考にしてみてください。
ちなみに、これもこのブログで取り上げた未来学者ローレン・トーブ氏の「3つの原理」でもこれから有望な市場として「健康、教育、政府分野と宗教市場」が挙げられていましたね。
時代は超人類、超芸術、超ビジネスの世界へ
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