今日は少し話題を変えて、「広告塔」について書いてみたいと思います。「広告塔」とは、一般的に

「遠方から目立つように高く掲げられた広告 」のことを指しますが、転じて「企業や団体のPR を買っている(させられている)著名人 」のことをいい、メディアには悪い意味でこちらの方がよく使われますね。

今、テレビなどのコマーシャルを見ていても、ほとんどが芸能人を起用しています。数年前までは何かと外国のモデルさんや俳優さんを起用していた状況とは少し変わってきて、その辺、やっと日本のコマーシャルらしくはなってきました。それにしても、起用される人々にとっては一本数千万円という破格のギャラが魅力ではあります。

いわゆる広告塔としてモデルさんは別としても、芸能人・タレントさんを起用する場合は、企業にとって彼らの知名度やイメージを借りて訴求効果に期待します。一方で、これはある意味ではリスクが伴います。好感度の高い人は限られていますので、自ずと起用する人が同じになってオリジナリティが出しにくかったりします。

また、起用した芸能人・タレントさんがCF放映中にトラブルに遭うなどしたときのイメージダウンは大きいですし、受ける損害も少なくありません。ましてや経営トップが登場するようなCFは危険です。最高責任者が登場するのだから消費者が安心するかといったら、そんなことはありません。今はHPなどがあるわけですから、単なるお調子者だと思われるのがオチです。

逆に、起用される彼らも注意が必要です。まさに自らが広告塔になっている製品、商品で消費者トラブルなどが起ころうものなら、大きなイメージダウンと損害を被るわけですね。過去を見てもそんな事例にはこと欠きません。さすがにCFには登場しませんが、アブナイ企業のPR誌によく政治家が登場します。


円天

最近で言えば、例の円天がありました。ここには12名の歌手やタレントさんがいますが、プロダクションや事務所、マネージャーはよほど調べておかないと大変なことになります。某化粧品メーカーの大勢の女優さんを使った最近のCFなどを見ると、広告代理店の力量も問いたくなります。うがった見方をすれば、CFにおけるリスク分散ポートフォリオとも言えなくもありません。

起用する側、起用される側の、消費者へのきちんとした意識が必要だと思う今日この頃です。