昨日に引き続き、五十棲剛史さんの「『正義の経営』で10倍儲ける方法」から掲載企業を紹介します。

アウトドア派の方ならご存知のパタゴニアPatagonia)。アメリカ 登山 用品、サーフィン 用品、アウトドア 用品、衣料品 の製造販売を手掛けるメーカーであり、及びそのブランド 名。環境保護活動に力を入れている としても知られる。日本 には1988 より進出したそうです。私はこの会社を本書で始めて知りました。まず同社のHPから引用します。


パタゴニア東京

<パタゴニアの存在意義>

最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。-パタゴニアのミッション・ステートメント。



パタゴニアは、自分たちや仲間たちのクライミング・ギアを作る小さな会社として出発しました。現在もアルピニズムを企業理念の中心として、クライミング、スキー、スノーボード、サーフィン、フライフィッシング、パドリング、そしてエンデュランス・スポーツを楽しむ人たちのためのウェアを作っています。機械的な動力も観衆の声援も要しないこれらのスポーツは、どれも私たちと自然とのあいだにある架空の境界を取りはらい、「自然と一体となる瞬間」という得がたい恩恵を与えてくれます。



私たちが作る製品は、クライマーとサーファーが集まってスタートしたビジネスと彼らが推進したミニマリストのスタイルを反映して、シンプルさと実用性に徹したデザインを追求しています。



パタゴニアで働く私たちの心にある、手つかずの自然が残る美しい土地に対する情熱。それはまた、野生地域を保護する情熱と直結しています。野生のままの姿を留める土地や水域を守り、急速に悪化している地球環境の現状を逆行させるための活動を続けるために、米国内外で草の根環境保護活動をおこなう何百もの団体に、パタゴニアは時間と労力、さらに毎年売上の1%以上の寄付を行っています。



私たちのビジネスも、店内の照明から製品の生地の染色に至るまで、何らかの形で環境に影響を与えています。私たちはできる限りリサイクル・ポリエステルを使用したり、農薬を大量に使って栽培される通常のコットンではなく、オーガニックコットンのみを使用するなど、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑えるために、たゆまぬ努力を続けています。



ビジネスを営んできたこの30数年間、私たちは本質的な価値観を忠実に守りつづけながら、パタゴニアという誇るべき会社を築いてきました。そして、つねに最善を尽くしてクォリティの高い製品を作る姿勢が、市場での成功へと繋がってきたのです


社員をサーフィンに行かせよう
そして、この理念を象徴的に示すのが、社内に掲げられているというコピー「Let My People Go Surfing」。「仕事に支障をきたさなければ、(勤務時間内でも)サーフィンに行ってよい」という社内規定だそうです。なにしろ本社に勤める社員の七割以上がサーファーだといいます。さらに、65%以上が女性。社内には託児所があって、母親になった女性社員は、仕事中でも授乳を優先してよいということです。



「良い波が来たら、仕事を中断してでも海に行くと、逆に仕事に対する意欲が高まり、社員の定着率も高まり、結果的に良い仕事ができる」と社主のイヴォン・シュイナードは語ります。その原点は「自分が好きなことをするために必要なものを作り始めた」だけだという彼の創業哲学にあります。この哲学をもっと知りたい方は彼の著書「社員をサーフィンに行かせよう」をご覧ください。


イヴォン・シュイナード

イヴォン・シュイナードはカリフォルニア州ベンチュラに本拠を置くパタゴニアの創業者であり、オーナーである。1950年代後半にロッククライミングのギアをデザイン、製造、販売してビジネスを始めた。彼が作った改良型アイスアックスはフレンチ・アイスクライミング・テクニックを促進し、現代のアイスアックスの原型となった。1964年、謄写版で印刷した1ページだけのメールオーダーカタログを発行。カタログにはクライミングシーズン中の発送の遅れがあらかじめうたわれていた。2001年、Yellowstone's Blue Ribbon Fliesのオーナー、クレイグ・マシューズと売上の1%以上を数々の草の根環境保護グループに寄付する「1% For The Planet」を創設。(同社HP


この「1% For The Planet」のような基金を、「コーズ・リレーテッド・マーケティング」と呼ぶそうです。