正義の経営

昨日、「『正義の経営』で10倍儲ける方法」(アスコム刊)という本を読みました。著者は船井総合研究所 取締役執行役員でビジネス・プロデューサーの肩書きを持つ五十棲剛史(いそずみ・たけし)さん。


インターネットの普及によって「一億総監視時代」に入った今、「社会のために業界のレヴェルアップに挑む」ことを社会にアピールする「正義の経営」を展開することこそ、顧客の共感を呼び、お客様を「信者客」へと変えるのだと説くのが本書です。五十棲さんは本書で「正義の経営」導入の具体的な方法論について詳細に解説していますが、ここでは内容については省略し、本書に登場する具体的な企業について、紹介していくことにします。

まず一社目はブラジルのセムコ社。数年前、CEOのルカルド・セムラー氏による「セムラーイズム」を読んだことがあります。何をやっている会社は忘れてしまいましたが、「管理しない経営」「全員経営者」を実現していることに驚きます。私は未読ですが、最近「奇跡の経営」が出版されています。訳者の岩元貴久さんによる紹介文を引用します。


軌跡の経営

「軌跡の経営」~これまでの企業経営の常識が覆える~

経営理念を持たず、それどころか企業戦略、経営戦略も組織図も就業規則もないセムコ社が、6年間で売上規模が6倍、総従業員数3,000人に驚異的な成長を果たしました。そして、驚くべきは辞職率が実質ゼロであるという事実。このセムコ社の奇跡の経営は、人を管理することを完全に辞めると決めたときに始まったのです・・・。






リカルド・セムラー

リカルド・セムラー(Ricardo Semler
1959
年オーストリア生まれ。ブラジルで学生に最も人気の高いコングロマリット企業セムコ社CEO。セムラー氏が21歳で父親から経営を受け継いだとき、セムコ社は倒産の恐れさえある小規模な会社だったが、その後大胆な組織改革によって急成長を遂げる。わずか6年という短期間で、売上が3,500万ドルから2億1,200万ドルに成長。現在の従業員数は3,000人にのぼる。

その革新的な経営方針と経営手法は、ビジネススクールのケーススタディーに取り上げられ、毎年、世界中の大企業の経営幹部が、セムコ社の成功の秘訣を学ぶために訪れるほど注目度が高い。ハーバード大学の客員教授をはじめ、MITなどアメリカの大学で頻繁に講義をしている。前著『Maverick』(邦題 「セムラーイズム」 新潮社 刊)は、世界中で100万部を超えるベストセラー。





五十棲剛史

五十棲剛史(いそずみ・たけし)
ビジネスプロデューサー、船井総合研究所取締役執行役員。船井総研を代表する名物コンサルタント。住宅・不動産ビジネスのほか、広告企画会社、人材関連ビジネス、ITビジネスなどベンチャー系企業、LOHAS関連ビジネス、富裕層ビジネスなどの事業プロデュースを手がけている。 これまで手がけたクライアント数は300社にも及ぶ。


お客さまから社員まで全員がワクワクするアトラクティブなビジネスモデルの設計、ミッション一体型の企業づくりに関して独自のノウハウを持つ。クライアント企業の「グレートカンパニー化」に向け、日々東奔西走している。劇的に業績を上げるその手腕を人は「イソズミ・マジック」と呼ぶ。「先生」と呼ばれることを嫌い、社内で唯一、「ビジネスプロデューサー」を名乗る。自由な発想、独創的視点、即断即決を信条にする。


著書に、『売上2億円の会社を10億円にする方法』(ダイアモンド社)、『稼ぐ人の答力』(ビジネス社)、『営業引力の法則』(徳間書店)など多数がある。