人間の幸・不幸はプラスマイナス、ゼロなどとよく言いますね。山が高ければ、谷も深い。そして、諦めない限り、一所には留まらない。人生の谷にある(と思っている)私はこのことを今、信じなくてはなりません。突然の辞任劇ですっかり評価を落とした安倍首相は、日本の最高権力者だっただけに、これから数年は谷に甘んじなければならないでしょう。人間は谷にいるとき何を考え、行動するかで次の山への登山の時期、高さが決まるのだと、そう信じるのです。


この深い谷をビジネス界で二度経験したのがもう一人の「アベ」、吉野屋D&C社長の安部修二さんです。



牛丼

20031224日のクリスマスイブ。「米国産牛肉にBSE感染の疑い例が発生」というニュースが飛びこみました。米国産牛肉に99%以上を依存していた吉野屋の安部修二社長の行動は迅速で、「使用している牛肉は世界規格の安全性の認定を受けており、危険とされる部位は使用していない」と安全性を強調する一方、同社の牛肉の在庫は1ヵ月分しかなく、米国からの禁輸が長引けば牛丼の販売は中止せざるを得ないと発表し、早急な輸入再開の必要性を訴えました。


この危機は、まず売上高の9割を超えるという利益率を誇った牛丼販売の「最大の強みが最大の弱みになってしまった」ことでした。しかも吉野屋は米国産牛肉にこだわり続けました。この危機に直面して牛丼以外のバイエーションを増やさざるを得なかった吉野屋の経営戦略はどんな結果的をもたらしたのでしょうか?同社の公式サイトの安部社長のコメントを読む限り、今期は対前年度増収増益です。


納豆定食

あれから4年、今日から27日まで、「牛丼復活一周年記念 大感謝祭」が行われます。牛丼札2枚で牛丼並みが100円となるセールだそうです。データを見る限り、経営面でも復活したようですね。吉野屋ファンである私にとってはありがたい企画です。サラリーマン時代は朝食に納豆定食を食べていました。朝から牛丼を食べる元気はないのです。また、沖縄ではセルフサービスになっているので驚いたことを覚えています。



安部修二

安部修仁1949 9月14 -)は「福岡県出身の日本の実業家。牛丼 チェーン 吉野家 を展開する株式会社吉野家ディー・アンド・シーの代表取締役 社長 である。福岡県立香椎工業高等学校 を卒業後、上京。日本大学 経済学部 在学中より、プロのミュージシャン を目指し、R&B バンド を結成して活動する傍ら、吉野家でアルバイト として働いていた」。


「その後、音楽 の道を諦め正社員として株式会社吉野家(現・吉野家ディー・アンド・シー)へ入社する。1977 には九州地区本部長を務め、1980 の同社倒産 を経験後、1983 には取締役 として経営参加。その後セゾングループ の出資により再建された同社で1988 の常務取締役就任を経て、1991 には代表取締役社長に就任した」。


「学生アルバイトからの叩き上げで社長となった事で、注目されている人物である。特に、東証 1上場 企業 において非正規雇用 出身者が経営トップに就くのは非常にまれなケースである。他に、東証1部上場企業において、非正規雇用から代表取締役等のトップに就任した例はブックオフコーポレーション 橋本真由美 等がいる(※但し、両者とも入社時から上場の大企業であった訳ではない)」。(ウィキペディア)


 奇しくも安部社長と同年生れの橋本真由美さんは1949 3月21 -)、20076月23 、同年5月発覚したグループぐるみの不正会計 問題において、常務時代に架空売上げの計上を黙認したとして代表権のない取締役会長に退任しています。