昨日、DREAM6を会場観戦して来ました。

もう既に各方面から批判の声が飛び交っていますが、残念ながらあまりクオリティの高い興行ではありませんでした。

好試合も中にはあったものの、興行全体としてボルテージが上がることなく、今までのDREAMの興行の中では最も内容の薄い興行であったかもしれません。DREAM主催者側も、全12試合を用意するなど力を入れてきた興行でしたが、それが裏目に出てしまった部分もあるかもしれません。

興行も序盤は順調でした。

第1試合のナカハラ選手VSドンシク選手。圧倒的な下馬評を覆し、ナカハラ選手がKO勝ちを収めました。ドンシク選手は決して弱い選手ではありません。総合2戦目でドンシク選手から勝利を奪ったのは見事です。ナカハラ選手は、当然まだグラウンドでの雑さが目に付きましたが、それを補うほどの気持ちの強さと思い切りの良さがありました。もしかしたら、この試合がDREAM6のベストバウトだったのかもしれません。

2試合目、3試合目も若干あっさり決まりすぎてしまった感もありましたが、両試合共にスッキリとする内容の試合でした。

ムサシ選手VSマヌーフ選手は、あっさりムサシ選手がテイクダウンに成功します。マヌーフ選手は少し不用意であったと思います。そこから落ち着いてムサシ選手が三角締めで一本勝ちを収めます。

ジャカレイ選手VSガレシック選手はジャカレイ選手が圧倒的な寝技のスキルを見せ付けました。私はガレシック選手がジャカレイ選手のタックルを切り、もう少しジャカレイ選手を苦しめると予想していました。ジャカレイ選手のグラウンドに持っていくスキルを見くびっていました。ガレシック選手も寝技に持ち込まれない練習をしてきたと思うのですが、ジャカレイ選手のスキルはガレシック選手の予想を凌駕するものだったのだと思います。グラウンドになると、流れるような寝技でジャカレイ選手が一本勝ちを収めました。

3試合目までは良い流れで来ていたと思うのですが、4試合目でその流れを断ってしまいました。

4試合目のK太郎選手VSアドリアーノ選手は結果として噛み合わない組み合わせとなってしまいました。両者共に決め手を欠き、動きの無い退屈な試合となってしまいました。このような試合内容であったものの、K太郎選手は判定勝利を収めたので、次はアグレッシブな試合を見せて欲しいです。

5試合目のハリトーノフ選手VSアンブリッツ選手はやや見世物的な試合となってしまいました。ハリトーノフ選手はPRIDEでもTOP選手として活躍していた選手なので、会場でも多くの声援が飛んでいました。試合も危なげなくハリトーノフ選手がKO勝ちを収めましたが、ハリトーノフ選手の現時点での実力を測りきれない試合内容でした。アンブリッツ選手は直前に急遽参戦が決まった選手なので、仕方無い部分もあると思います。アンブリッツ選手はその風貌により、観客から愛着を持たれたようなので、今後も継続して参戦する気配がありそうです。

6試合目の所選手VS山本選手は主催者泣かせの結果となってしまいました。主催者側としては所選手に勝利してもらい、KID選手との対戦を実現させたかったと思いますが、山本篤選手が予想以上の打撃のスキルを見せ判定勝ちを収めました。DREAMは中々主催者の思惑通りに事が運ばないようです。この結果により、更に会場のボルテージが下がってしまったように感じました。
普段は挑戦者というマインドで勢いのある試合を見せる所選手ですが、この試合はやや受け手に回ってしまっていたような印象を受けました。いつもに比べて、若干勢い不足を感じました。負けはしたものの、所選手は最後まで勝負を諦めず、白熱した試合を見せようとするマインドを持つ選手なのです。ここから最奮起して、KID戦を実現させて欲しいと思います。

7試合目の船木選手VSミノワマン選手は、足関節の取り合いから船木選手が一本勝ちを収めました。良くも悪くもプロレスチックな試合でしたが、船木選手が想定出来る数少ない勝利パターンに結果として持ち込めたことが良かったと思います。ミノワマン選手は我慢しすぎたのか、退場時にびっこを引いていました。神経を痛めたかも知れません。

8試合目のマッハ選手VS弘中選手は、マッハ選手が経験の差を見せ、危なげなく勝利を収めました。2R終了間際にマッハ選手にKOするチャンスがありましたが、弘中選手がゴングに救われた形となりました。人気選手のマッハ選手が勝利を挙げたものの、興行のボルテージを盛り返すほどの試合内容とはなりませんでした。