以前、海外の格闘技サイトSherdog にヒョードル選手の弟、エメーリヤエンコ・アレキサンダー選手のインタビューが掲載されておりました。

非常に長いインタビューでしたが、その中で過去に敗戦を喫している選手達とその試合に対して、気になるコメントをしていました。

まずPRIDE無差別級グランプリ一回戦で敗戦を喫したジョシュ選手との試合に関しては、高熱で体調が万全ではなかったと語っています。ドクターもリングに立たせたがらなかったような状況だったけど、自分にとってグランプリは最も重要な位置づけだったので、強行出場したと言っています。そのため、早いラウンドで倒す必要があり、それが出来なかったのであのような結果になってしまったと言っています。また、あの敗戦は負けとは捉えておらず、もう一回ジョシュ選手と試合をしたいのだけれども、莫大なファイトマネーをオファーするなどしてジョシュ選手は逃げている。理由はもう一度やれば負けるのは分かっているからだとも発言しています。

ミルコ選手に関しては、次のように言っています。ミルコ選手はもうピークの過ぎた選手で、試合の経験は積んでいるようだけど決して高いレベルでの試合はしていないよ。日本はミルコ選手に日本人選手を差し出してミルコ選手を養ってきたけど、逆に私は日本人選手との試合経験は一度も無く、常に強い選手と当てられてきたと発言しています。また、ミルコ選手との試合に関しても、あれはまだ自身も23歳で4試合の経験しかなかったから負けてしまった。あの試合は受けざるを得なかったんだ。けれどもミルコ選手は逃げ回ってばかりだったよ。ミルコ選手とは明日にでも試合をしても良いよと言っています。

そしてヴェウドゥム選手戦での敗戦についてもコメントしていました。彼は良いファイターだけど、あれは休暇滞在中にオファーされたんだ。急に試合をやらないかと言われて、受けたんだ。しかも、直前で更に対戦相手がヴェウドゥム選手に変更になったんだと語っています。


私はこれらのインタビューを読んで、アレキサンダー選手が中々花開かない理由が少し分かったような気がしました。ヒョードル選手をして、自身より強いポテンシャルを秘めている(もちろん弟なのでお世辞もあると思いますが)
と言わしめているアレキサンダー選手ですが、TOP選手の仲間入りする一歩手前で踏みとどまってしまっています。これらのインタビュー内容の真偽は定かではありませんが、アレキサンダー選手は圧倒的に心の部分がTOP選手のそれではないような気がします。

五輪三連覇を成し遂げた元柔道日本代表の野村忠宏選手は、前回五輪優勝時に「心・技・体とあるが、今回の優勝で初めて何故“心”が一番先に来るのかが理解出来た。」と言っているように、心という部分はTOP選手とそうでない選手との一つの差だと感じます。

総合格闘技でも一流と言われる選手達は、自身の過去の敗北に対して極端に言い訳をしたりしません。(ノゲイラ選手に関しては、ややそのような発言も目立ちますが。)

アレキサンダー選手が、一流の選手の仲間入りをするには、まずは心の部分を鍛える必要があると思います。

まだ若い選手なので、心の部分でも兄のヒョードル選手に近づければ、更なる飛躍が期待出来るかと思います。