憚(はばか)りながら/後藤 忠政

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☆☆☆☆
かつて伊丹十三監督・襲撃事件などで日本社会を震撼させた武闘派団体・後藤組の後藤忠政組長。
08年10月に山口組を電撃引退し、翌年には天台宗系の浄発願寺で得度(得度名=忠叡)。日本中をあっといわせたのは記憶に新しい。
それから1年……財界・政界にも大きな影響力を発揮し、山口組の直参として、日本の深層を生き抜いた後藤忠政とは、いかなる人物なのか?
本書は、半年にわたる延べ50時間のインタビューを構成したもので、
これまでその人物像が明かされることのなかった伝説の組長の生い立ち、静岡県富士宮を舞台にした愚連隊時代、山口組直参昇格、竹中正久4代目の思い出、
山一抗争、伊丹十三襲撃事件、孤高の民族派・野村秋介との交友、企業社会への進出、政界との交流、武富士との攻防、山口組引退の真相、
そして自身の人生哲学から女性哲学までが、たっぷりと語られる。
激動の半生を送ってきた人物が語り下ろす、今年、注目度ナンバーワンのノンフィクション!!
(amazonより)

話題の一冊。ようやく読みました。
あの武闘派で有名な後藤組長の自叙伝ということで、響く人には響くがほとんどの人にとっては誰それ?というというところでしょう。
ところが蓋を開ければ増刷の嵐、大ヒットの1冊になったのはフライデーで創価学会との絡みなどが紹介されたからでしょう。

確かに中身は衝撃的なことも含まれていますし後藤組長の生き様は、この手の本が好きな人にはうけると思います。(実際私は楽しめました。)ただし、創価学会の件はかなり突っ込んで書かれてはいますが、それ以外(例えば伊丹十三の件)などはそれほど踏み込れては書かれてはいませんし、脈絡のない政治批判なども間に含まれており、本としての出来はいまいちという印象です。
ああいう構成にするのであればインタビューアーの質問文なども含めたほうが前後ははっきりとしますしメリハリがついたような気がします。
やはり大下英治や溝口敦が執筆した類書と比べると圧倒的にクウォリティーが落ちますね。

それでもこのジャンルに興味がある方なら、ここから更に事実関係を推測することが出来ますし、あの後藤組長の自伝というだけで買いでしょう。またフライデーなどで関心を持った方もある程度の好奇心を満たしてくれる本であることは間違いないです。

実録・広島やくざ戦争〈上〉 (幻冬舎アウトロー文庫)/大下 英治

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六代目山口組 宮廷革命の勝者 (竹書房文庫)/溝口 敦

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山口組 五代目帝国の内なる敵 (竹書房文庫)/溝口 敦

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創価学会 (新潮新書)/島田 裕巳

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