眠りの森 (講談社文庫)/東野 圭吾

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☆☆
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。(amazonより)

シリーズ第2弾ですが、構造的には前作「卒業」に非常に近い感じです。様々な伏線が1つに収斂されていく割には、その1つに1つに物語的な魅力が欠けていたり、実際には伏線から推理することが困難だったりと完成度が高いような低いようななんとも言えない作品ですね。ただし前作と比較すると、加賀の恋愛パートにも一本筋が通りましたし、それぞれの物語もとってつけた感は減少しました。

ただ、どうしてものめり込みきることが出来なかったのは内容的にも記述のされ方も非常に2時間ドラマ的なんですよね。事件の解説が回想シーンとカットバックしたり、不自然で解説的な独り言や、説明的な地の文が多かったりと。感覚的には良く出来た火サスの台本を読まされているようで、要はダサいメジャーなんです。2つ星の作品としてはかなり良く出来た作品だと思うのですが、あえてお金を出して買うべきか?と問われれば、それほどの価値は見出せない作品でもあります。

シリーズ最新作
新参者/東野圭吾

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