レタス・フライ (講談社ノベルス)/森 博嗣

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ショート・ショート5編を含む9つの短編集。メインとなるのは森博嗣のシリーズモノキャラクター達が登場する「ラジオの似合う夜」と「刀之津診療所の怪」の2編です。

Gシリーズの主役3人のうち山吹早月、海月及介が初登場する作品がこれだと言うことで読んでみました。ちなみにもう1人の主役加部谷恵美はかなり早い段階「幻惑の死と使途」から登場しています。

正直かなりがっかりの内容でした。ショート・ショートは如何にもこういう雰囲気の作品を狙って作りました、という少々幻想的なテイストの文学でしたが、狙って書いたのが見え見えで読んでいて何も感じることが出来ませんでした。
「ラジオの似合う夜」はそれ程旧作に頼った作品ではないのでそれなりに楽しんで読めましたが、内容もそれなりです。「刀之津診療所の怪」は犀川創平と西之園萌絵も登場しファンには垂涎の作品でしょうが、謎かけの落ちがシリーズモノ旧作の番外編的な短編集を読んでいないと理解できないもので、かなり唖然とさせられました。いくらなんでも落ちが別の本の作品を読んでいないと理解できないなんて本当にこの人何考えてるんでしょうかね?あるいはこんな形の短編集としてまとめた編集者側に責任があるのかもしれませんが、それならそれでカバーなり何なりに明示されていないと、知らないで買った人は正に金を捨てたようなものです。
森さんは才能ある作家だとは思いますが、あまりに打算的過ぎてモラルにかける気がします。

読んでいないと理解できない短編集はこれです
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今夜はパラシュート博物館へ (講談社文庫)/森 博嗣

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本作を読む場合は必ず読んでおいた方がよいです。私はこれからですが。
でもこの短編集も他の作品を読んでいないと理解できないことが出てきそうな予感です…。