金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)/水野 和夫

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☆☆☆
元々、金融関係には興味が薄かったんですが、ここ数ヶ月はニュースはその辺の話題で持ちきりだったので読んでみました。

実は金融工学に少し踏み込んだ内容を期待して購入したのですが、実際はハイエク、フリードマンの新自由主義の台頭からリーマンショック以降の世界までを描いた、かなり大きな歴史物語でした。ある意味では今日的な状況に至るまでの経過が俯瞰でき、非常に面白い本でしたが、軸足自体はサブプライムローンやレバレッジ、CDO、CDSといった金融商品や金融システムにまつわる話に置かれているので、全体としては少々薄い感じでしたね。

ただし金融商品や金融システムについては非常に分かりやすく書かれているのである程度以上ニュースや新聞などをご覧になられている方ならスルスル入ってくると思います。一方で今後の日本に関する予測や対処法にいては内容的にも薄く、わざわざ入れる必要があるのか?少々疑問符がつくないようでした。

全体としては良書だと思うので昨今話題になっている金融危機について、ある程度体系的に学びたい方にはお奨めです。


昨今話題になっている証券化やサブプライムをもう少し基礎的なところから学びたい方にはこちらの方をお奨めします。↓↓↓↓↓
すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)/小幡績

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