村上春樹ハイブ・リット/村上春樹(編・訳)

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☆☆☆☆
如何に楽しく英語を学ぶか。3日坊主になりがちな社会人になって以降の自己啓発。
本書はそういった問題解決の決定打となりうる1冊だ。

本書の収録作はティム・オブライエンとレイモンド・カーヴァーの原文と村上春樹による翻訳が1篇ずつと村上春樹の短編レーダーホーゼンの原文と英訳が収録されている。

作家であり翻訳家である村上春樹に興味をお持ちの方なら彼が原文を如何にして日本語化しているかは非常に興味があるところだと思う。勿論私もである。
本書はそういった読者の要望に応えた書籍であると言えるだろう。その意味では英語自体を学ぶ気がなかったとしても非常に価値のある作品だ。

勿論英語を学びたい方は本書本来の活用方法をとられれば充分な学習教材となりうる。出版社がアルクということだけあって、ページ下には重要単語や慣用句についてはその意味が書かれているので、見開きページの英語と日本語、更に注釈を活用すればそれ程辞書に頼らなくてもある程度読み進めることが出来るはずだ。

また付属のCDにはティム・オブライエンの作品に関してはオブライエン本人が朗読しているのでその意味でも非常に価値ある1冊といえるだろう。

単に英語を学びたいから、ただの村上春樹ファン、日本語文章能力の向上を望む方まで幅広い層に対応した本だと思う。
ちなみに私の地元の書店ではず~と品切れだった1冊です。恐らく通常アルクから出版されているこの類の本と比べて相当売れているんでしょう。欲しい方はネットで買っちゃった方が良いかもしれません。

ちなみに日本を代表する翻訳家柴田元幸氏と村上さんが翻訳家を目指す学生を交えて対談などが収録されている翻訳夜話もお奨めです。

翻訳夜話 (文春新書)/村上 春樹

¥777
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