死神の精度 (文春文庫)/伊坂 幸太郎

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☆☆☆☆☆
人間界に派遣された死神がある人物と1週間同じ時を過ごし、彼を殺すべきか生かすべきか判断する。本書はその1週間に起こる様々な出来事描いた作品。
ロードムービー、任侠モノ、密室殺人事件それぞれ特徴的な6つのショートストーリーを収録した短編集。

さて、死神が対象者の生死を判断すると言う点も、それが実にお役所仕事的に行われると言う点も、まあありがちというか、それ程特徴的なプロットとは言えません。しかしながら本書は私が人生で読んだ短編集の中でも5本の指に入れたいくらい満足度の高いものでした。
理由はいくつかありますが、人物造詣が非常に優れており、登場キャラクター全てに愛着を持てる、という点が最も大きな要素かな?と思えます。
細かく説明していくときりがない上にネタばれするので、主人公の死神についてだけ簡単に言及します。
・音楽を愛し(彼らはミュージックと呼ぶ)、それさえ聴いていれば幸せ。
・語学堪能だが、人間ではないので妙なところで常識がない。そのため対象者他との会話がピントがずれる時があり、可愛らしい。

当然短編同士には繋がりがあり、あっ、と言わせる結末が待っていますよ。
そうそう伊坂作品恒例の別作品とのリンクもあります。「重力ピエロ」のあの人が結構長いこと登場します。



小説が良かったので映画も少し興味が出てきました。
でも金城武、確かに死神っぽいけど、この話の死神とは大分キャラ違うような。
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