魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)/京極 夏彦

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☆☆☆
京極堂シリーズ第2弾。と言っても京極堂シリーズのプロトタイプと言っていい作品でしょうね。
・複数の場面がそれぞれ1人称で語られ、やがてそれが1つずつ統合されていき最後には1つになる。
・複雑怪奇な事件の全貌を妖怪になぞらえ、作中に語られるその妖怪の成り立ちや時代ごとの変遷が、事件を解くヒントになっている。
・前作以降の登場キャラクターがそれ以降においても重要なキャラクターとして再登場する。
こういったスタイルはデビュー作「姑獲鳥の夏」ではなく2作目の魍魎の匣で確立されました。

さて物語自体ですが、重~い京極作品の中でも格別に猟奇性が高い作品です。そういう意味で受け入れがたい人はいるかもしれませんね。私は、と言うと京極堂シリーズで最も評価の低い作品の1つです。厳密には評価と言うよりは好みに合わなかった、と言うことかもしれません。メイン登場キャラクタである女学生2人のキャラクタにどうしても魅力を感じることが出来ませんでした。それだけじゃありませんね。ん~、残虐性云々は関係ないのですが例の機関のトップの方の事件への関わり方がどうもしっくりこなかったんですね。ネタばれは避けたいので詳しくは書けませんが。私の評価は以上の通りですが、京極夏彦の作品としては最も評価の高い作品でもあります。映画化、アニメ化もされていますし、一読してもらいたい作品ではあります。特に冒頭とエンディングは京極作品の中でも格別に美しいです。

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