ミャンマーのほぼ中央、マンダレー管区メイッティーラに住む友人Tさんから、チャバダウンのある村に井戸の贈呈式をするので、ぜひ歯みがき指導をしてほしいとの連絡を受けました。Tさんの一族・友人は、普段から渇水時には給水活動や食事を提供するなどのボランティア活動をしています。また僕の同地での活動のアレンジや通訳などもしてもらっています。
メイッティーラから車で3時間ほど西に行ったマグエー管区に近い乾燥地帯、またヤシ砂糖の生産で有名なチャバダウンのはずれの村に案内されました。井戸は僧院学校の中にあり、僧院の広場には、多くの村人が集まっていました。この井戸は、隣接の村も利用する予定とのことです。また聞くところによると、この村の近くでは原油が取れるが、水脈ははるか地中にあるとか。ただ、その岩盤が固く、かつてJICAが掘削を試みたが難事業で断念したそうです。JICAも出来なかったことをミャンマー人が成し遂げたと誇らしげに語る人もいました(僕がJICAと無関係だと確認した後でしたが)。確かに硬い岩盤を掘るため、通常の倍以上の費用が掛かり、パイプも頑丈なものだと いうことです。 さて式典は、お坊さんの1時間にわたる説教から始まり、僧院学校の子供たちによる踊り、そしてTさん一族により村人に昼食の提供も。
いよいよ、僕の出番です。いつものように歯みがきの大切さ、歯だけではなく口からの感染症予防のための話をして、実際に正しい歯磨きの仕方のトレーニングです。苦労して得られた貴重な水ですので、うがいで吐き出す水は、植込みの木にかけるようにしました。こどもたちも笑顔で見送ってくれました。また6月に来ること、そして次からは、となり村の学校のこどもたちにも来てもらうことを約束して、メイッティーラに戻りました。
ミャンマーには、日本では考えられないくらいの大金持ちもいますが、独占的に更なる利益を求め、国全体の利益のためにという考えは希薄です。また、国民の寄付率は世界で群を抜いてナンバーワンと言われています。ただ、これは上座部仏教の考え方で自分の来世の安寧を願って、寺院に寄付することがほとんどです。でも実際は、現世に目の前に困っている人たちは数多くいます。Tさん一族のように、自分や来世のためのみならず、、困っている人に手を差し伸べる方もわずかですが、いるのも事実です。僕の持論は、”ミャンマーの問題は、ミャンマー人の手で解決を!”で、僕はそのお手伝いをしているに過ぎません。今回、貴重な機会をくださったTさんはじめ友人のみなさんに感謝!