山川出版社の「日本史A」② | 足尾鉱毒事件自由討論会

山川出版社の「日本史A」②

説明は、次のように続きます。


「被害地の住民は、1897(明治30)年以来、箕笠・草鞋ばきで大挙して上京し、数回にわたって陳情を試みたが、1900(明治33)年には警官隊と衝突して数十人が逮捕された。」


「栃木県選出の衆議院議員田中正造は同じ議員の島田三郎らの助力を得て、議会で政府に操業停止を迫り、また木下尚江らの知識人とともに世論の喚起につとめた。」


「政府も鉱毒調査会を設けて鉱毒予防を銅山に命じるなどの処置をとったが、操業は停止させなかったので鉱毒被害は止まなかった。」  


農民が逮捕されたことばかりが強調され、政府が農民の要求を入れて公害の歴史上異例の対策を立て、加害企業が今のお金で100億円以上も投入して公害防止工事を敢行し、その結果、被害を受けた農地が元の戻っているのに、それらを全く説明せず、「操業は停止させなかったので鉱毒被害は止まなかった。」などと、完全に虚偽の作り話を生徒に吹き込んでいます。


つまりは、公害対策に成功した日本政府を悪者扱いしているわけですが、教科書がこんな失礼なことをしていいのでしょうか。