唐櫃(からびつ)
「山建て」でも書きましたが
町内の土蔵の二階から「唐櫃」なるものを引っ張り出してきました。
蓋の裏の墨書によれば嘉永2(1849)年製、じつに164年前のものです。
その大きさ(長さ263cm)にビックリです。
脚が6本ついた木の箱(物入れ)です。
側面にうっすらと「蘆刈山」の墨書が見えます。
この唐櫃、何に使われたかといいますと
幕末のどんどん焼け(禁門の変、蛤御門の変)でたくさんの山鉾が罹災しましたが
木組みが再建されるまで唐櫃で巡行しました。
芦刈山も明治5年に今の木枠が再建されるまで
唐櫃に御神体の御頭を収めて巡行したそうです。
前後にUの字の金具が見えますが
これを上に上げて
この輪っかになった部分に
天秤棒(長柄)を差して2人で担ぎました。
来年、大船鉾の木組みが完成して完全復帰を果たす予定ですが
昨年と今年、唐櫃で巡行するので話題になりましたね。
芦刈山も来年、明治5年に再建された今の木組みを新調する予定です。
これも142年ぶりとなりますが、
火災等で木組みが焼けることが二度とないように
つまり将来にわたって
唐櫃を使って巡行するような事態には
二度とならないように祈るばかりです。
ちなみに
この様に脚のついた木箱を「唐櫃」といい
脚のないものを「和櫃」というそうです。