ケン・スコールズ『失われた都(上・下)』(ハヤカワ文庫FT)読了
金子司=訳
碧風羽=カバーイラスト
中島慶章=カバーデザイン

Lamentation by Ken Scholes

2011年9月20日 印刷
2011年9月25日 発行
(上巻)ISBN978-4-15-020535-5 C0197 Y780E
(下巻)ISBN978-4-15-020536-2 C0197 Y780E
定価各:本体780円+税

メモあらすじ

数百年前、旧世界の崩壊を生きのびた人々が築いたウィンドウィアの都。
この地にある〈大いなる図書館〉で、
アンドロフランキン教団は科学や魔法などの知識をすべて集約し保管してきた。
だが、ある日突然、都は炎につつまれ壊滅する。
駆けつけた〈流浪の王〉ルドルフォは、生命の消えた廃墟で一体の鋼人(メタル・マン)に出会った。
旧世界の技術で作られた彼は都を破壊したと懺悔する――
大河ファンタジイ史上に輝く傑作群像劇、開幕篇。


(本書上巻のカバーより)

本

なかなか面白いファンタジーに出会えた…
剣と魔法の世界が舞台というだけで毛嫌いされる方にも
きっとこの作品は読んでもらえるんじゃないかと思う…

まずなんといっても主人公ルドルフォがかっこいい
ん これなら普通か…
でも上に立つものとしての性格も立派すぎる…
なによりも書物を大事にしているのがすばらしい…

ルドルフォとその右腕的存在のグレゴリクの関係も
友情でがっちり結びついていて なかなか…
同人誌に出てくるアルスラーン戦記の
ダリューンとナルサスのような関係を妄想してしまった…

そして 政略結婚的にモノのように扱われつつも
お家のために尽くそうとしている女性ジン・リー=タム…
しかし最後には主人公のために生きて行こうと決意するその凛々しさ…
うーんしびれる…

さらにメタルマンという いわばロボットの存在
ここに剣と魔法の世界に科学の世界が微妙に垣間見える瞬間があり
なんとも綱渡りな世界観なのです
逆にそれが んーこの先 どっちへ転ぶのだろう…
と やきもきさせるのですが…

イサークの図書館 というシリーズでしばらくは続きそうです
あ イサークというのは上に出てきたロボットの名前です

独断評価:80/100

失われた都 (上) (イサークの図書館)/ケン・スコールズ

¥819
Amazon.co.jp

失われた都 (下) (イサークの図書館)/ケン・スコールズ

¥819
Amazon.co.jp

Lamentation (Psalms of Isaak)/Ken Scholes

¥656
Amazon.co.jp