グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(ハヤカワ文庫SF)を読了
山岸 真=編・訳
鷲尾直広=カバーイラスト
岩郷重力+WONDER WORKZ。=カバーデザイン

The Planck Dive and Other Stories by Greg Egan

2011年9月20日 印刷
2011年9月25日 発行
ISBN978-4-15-011826-6 C0197 Y900E
定価:本体900円+税

メモ内容紹介

地球から遙か遠宇宙のブラックホール〈チャンドラセカール〉では、
ある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。
果たして人類は時空の構造を知り得るのか?
――ローカス賞受賞の表題作、別の数学体系をもつ並行世界との最終戦争を描く「暗黒整数」、
ファースト・コンタクトSFの最高峰「ワンの絨毯」ほか、
本邦初訳作品を含む全7篇を収録。
現代SF界最高の作家の最先端作品を精選した日本オリジナル短篇集第4弾


(本書カバーより)

本

以下 収録作品順に簡単な感想などを…

●「クリスタルの夜」
ポケットのなかの宇宙 フェッセンデンの宇宙的世界観なのですが
主人公の倫理観の欠如や懲りなさ加減が怖い
こんな人格の人物が増える世の中にはなってほしくないかも

●「エキストラ」
臓器移植用に育てる自分のクローンの話
と書くと身もふたもない展開を想像しそうですが…
自分の存在というものの不確かさにクラクラとしました

●「暗黒整数」
暗黒物質(ダークマター)といった物質を想定しなければ成り立たない物理法則
とすればその数学版ともいうべきものも考えられるんじゃないか…
うん それはなんとなくわかる… でもよくわからないw

●「グローリー」
スペースオペラなのですよね…
すごいスパンの物語が進行しているので驚きます…
最初の科学的な記述はちょっと我慢して読みましょうw

●「ワンの絨毯」
名作登場… もう幾たびか読んだ作品ではありますが
やっぱりこれはすごい
絨毯の姿を想像するたびにソラリスを思い浮かべてしまうのであった…

●「プランク・ダイヴ」
もうひとつの名作登場… 運命というものを考えてしまいます…
なによりもヲイラは切ない話が好きなのだということを実感させられる

●「伝播」
数学的帰納法といったものに胡散臭さを感じて
数学がさらに好きになった中学生時代を思い出しながら読みました…
これは その発想は 面白い
でもイデアの世界だな~ 形而下では無理でしょ?

独断評価:85/100

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)/グレッグ・イーガン

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