ゾラン・ドヴェンカー『謝罪代行社』(ハヤカワポケットミステリ)を読了
小津薫=訳
水戸部功=装幀

Sorry by Zoran Drvenkar

2011年8月20日 印刷
2011年8月25日 発行
ISBN978-4-15-001850-4 C0297 Y1600E
定価:本体1,600円+税

メモあらすじ

失業したクリスら四人の若い男女は、依頼人に代わって謝罪する仕事を始めた。
ある日、彼らの一人が指定の場所に行くと、壁に磔にされた女性の死体が!
依頼人は死体に謝罪し、それを録音して送ること、死体を始末することを求めた。
家族の身を守るため拒否はできなかった。
やがてさらに不可解な事件が起き、彼らを悲劇が襲う!
ひたすら車を走らせる「わたし」とは誰か?
女性を殺した「おまえ」の正体は?
謎めいた行動をする「彼」とは?
さまざまな仕掛けを施して描く、驚愕のドイツ推理作家協会賞受賞作。


(本書表紙ウラより)

本

面白かった!
まず 謝罪を代行する会社という発想が面白い…
こんな商売をしていれば それは人の恨みも買うでしょう…

基本三人称の展開なのですが
ところどころに挿入される一人称の「わたし」と
二人称の「おまえ」の存在がきわめて不気味なのです
これがどう作用して どこで三人称で描かれる主人公たちのグループと出会うのか

主人公たち四人グループは
それぞれ家族に関する悩みを抱えて生きているのです
最初はサイコサスペンス調で その方面へ突っ走るのかと思っていたのですが
実はプライベートな家族の問題が
この物語の本筋に絡んでくることになろうとは…
(近所づきあいは大切にしなければな…)

はらはらしながら中盤以降はまさに一気読み
これから読む方は秋の夜長 徹夜できる日を設けてください

ドイツミステリ…おそるべし…
ドヴェンカーはミステリだけに興味があるわけではないようですので
ジャンルの枠をとっぱらったような作品に期待したい…

本書はハヤカワポケットミステリ版(新書サイズ)と
ハヤカワミステリ文庫版(上下分冊)の2パターンで刊行されています
ワタクシはポケミスが好きなのでそちらを買いましたが
持ち歩くには文庫のほうがいいかもしれませんね…

以下に
ポケミス版 文庫版(上下巻) 英語版 ドイツ語版のリンクをつけておきます

独断評価:90/100

謝罪代行社(ハヤカワ・ミステリ1850) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)/ゾラン・ドヴェンカー

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謝罪代行社 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ゾラン・ドヴェンカー

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