保阪正康『歴史でたどる領土問題の真実-中韓露にどこまで言えるのか-』(朝日新書)を読了
アンスガー・フォルマー/田嶋佳子=カバーデザイン

2011年8月30日 第1刷発行
ISBN978-4-02-273409-9 C0221 Y740E
定価:本体740円+税

メモ内容紹介

どう守り、返還させるか?
威勢のいい言葉だけでは進展はない。
解決策は「歴史」の中に書かれている!
明治維新時の領土と、その後の戦争による拡大。
敗戦での急激な縮小と、戦後の枠組み。
それらの歴史の裏側までを厳正に検証する。
21世紀の視点に立った日本の主張!


(本書カバーより)

本

8/14現在 アマゾンの内容紹介が他の本の内容になっていますのでご注意

さて ひさしぶりに保阪氏の本を読みました
昭和史を紐解くうえで彼の著作はかなり読んだのですが
今回 いろいろと問題をかかえた日本の領土問題について
どんな切り口で論じるのかと思って(あと新書だったので)
読んでみた次第…

ロシアとの間でかかえる北方領土・南樺太
韓国との間では竹島
中国との間では尖閣諸島

その領土問題がどのように起こってきたのかを
条約などの明文化された証拠に基づいて検証していくのです
そして
領土問題がきわめて打算的なものであることにあらためて気づくのです

言ったもん勝ち(先に領土宣言しちゃう) やったもん勝ち(さっさと実効支配!)
な領土問題ですけれど
言った言わないといった感情論で語られることだけはないようにしたい
日本側が冷静であったとしても他国はそうではないということも知っておきたい
それに帝国主義的な領土拡大の思想が世界にはいまだにあることも知っておきたい

そして「固有」の領土という表現が微妙であることも知った
固有であるなら領土だとあらためていう必要はないわけで
いろんな矛盾があるのでした…

そういったことを戦争終結の日につらつらと思ったのでした…

ひとつだけいうならば…
他国の領土にたいする考え方がもっと紹介されていてもよかったかもしれませんね

独断評価:80/100

歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか (朝日新書)/保阪正康

¥777
Amazon.co.jp