篠田節子『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』(文藝春秋)を読了
大久保明子=装丁
Michael Nichols/Getty Images=写真

2011年7月10日 第1刷発行
ISBN978-4-16-380610-5 C0093 Y1476E
定価:本体1,476円+税

メモあらすじ

駿河湾で揚がった巨大ウナギを食べた人間が食中毒にかかった。
原因は、レアメタルのパラジウム。
どういうわけか、ウナギの体内にパラジウムが残留していたのだ。
非鉄金属を扱う会社の社員・斎原は、そのウナギが日本の資源確保の切り札になると確信し、
パラジウムウナギの生息地を追った(「深海のEEL」)。ほか3篇収録。
科学の発展で人は幸せになれるのか?
科学に翻弄される人間の滑稽な姿を描く、現代の黙示録。


(文藝春秋社ホームページより)

本

新刊で買った人は帯に注意です
ネタばれしていますので帯を見ないようにして中を読むようにしましょう

○深海のEEL
ウナギの生態が解明されつつあるニュースが流れたのは最近ですけれど
非常にタイミングよく単行本化されましたね(笑)
これを読んだ日に静岡で加工されたウナギを食べたので
ちょっとドキドキしちゃいました

○豚と人骨
相続税等にまつわるごたごたからどのような展開をみせるのかと思ったら
まさか縄文時代の○○○がよみがえることになろうとは!
掘り起こさないほうがいいこともあるのです

○はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか
じつはこの表題作が一番好きです
風変りなラブストーリーなのです
地方の小さな企業につとめた女性につきまとうストーカーの影
それが実は……(不気味だけどかわいい)

○エデン
この作品だけが他3篇とちょっと毛色が違っていますね
戦後の抑留&強制労働を髣髴とさせ
とても暗いです…
最後に見えた光は希望だったのかしらん?

独断評価:80/100

はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか/篠田 節子

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