北野勇作『かめ探偵K』 (メディアワークス文庫)を読了
華尾ス太郎=イラスト
松田タダシ=デザイン

2011年5月25日 初版発行
ISBN978-4-04-870559-2 C0193 Y610E
定価:本体610円(税別)

メモあらすじ

街はずれに、寂れた博物館が建っていました。
なんの変哲もない建物ですが、その屋根裏部屋には、亀が住んでいるのです。
部屋の扉には、クレヨンでこう書かれています。「かめ探偵K」。
かめ探偵Kの仕事は3つ。
1つめは「甲羅干し」。2つめは「かめ体操」。そして3つめが「謎解き」。
依頼人が持ち込んでくる奇想天外な謎を、かめ探偵Kは甲羅の中で推理していきます。
どこか懐かしい、でも近未来の小さな小さなおはなし。
はじまり、はじまり。


(本書カバーより)

本

どこか哀愁ただよう かめ探偵K
あつかましい性格の押しかけ相棒と 書記係(物語の進行役)の大家さんがメインキャラ
本書の面白いところはその書記係が新聞連載という形で物語を進めているところだろう
大正・昭和初期の探偵ものを読んでいるような錯覚に(一瞬だけ)陥りました

話が進むにしたがってこの物語世界のなりたち
-「旧世界」が破壊され「新世界」となったあらまし-について徐々に明らかにされるのですが
いろいろと謎のまま残ります
そこはまあ「小」説なので気にすることはありません
分厚さだけが売りの「大」説なら詳細な描き込みを期待するところですが
本書はなんといってもかめ探偵の活躍を追っていればよいわけです

さてそんなかめ探偵はいくつかの事件を解決します
密室からある物体が消えうせた事件は ほお~そういうことかと
すっかり騙されてしまいましたが
ラストのバラバラ死体ものについては ちょっとわかっちゃったぜ(笑)

かめ好きな方 かわいい小説を読みたい方 ぜひどうぞ
なんせ小さな説(小説)なので気軽にさくっと読めます~

あ 関係ない話ですが 関西人にとって「新世界」は別なイメージがわきますね^^;

独断評価:75/100

かめ探偵K (メディアワークス文庫)/北野 勇作

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