辻村深月『本日は大安なり』(角川書店)を読了
名久井直子=装丁
さやか=装画

2011年2月25日(大安) 初版発行
ISBN978-4-04-874174-3 C0093 Y1600E
定価:本体1,600円(税別)

メモあらすじ

一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、
クレーマー新婦に振り回されっぱなしのウェディングプランナー、
大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、
誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。
憧れの高級結婚式場で、同日に行われる4つの結婚式。
それぞれの思惑と事情が臨界点に達した、そのとき――。
世界一幸せな一日を舞台にした、パニック・エンターテインメント長編の大傑作。


(本書オビより)

本

結婚式は日常生活のなかでのひとつの非日常的なできごと
その一瞬の輝かしい日に
いろんなことを考えている人もいるもんです

本作に登場するウェディングプランナーの女性は仕事にマヂメで本当に頭が下がる
こんな人が担当としてついてくれたら結婚式は思い出に残るのだろうな
振り返ってわが家の結婚式(もうひと昔も前だ)は
とくになんの障害も事件もなく
つまり劇的なことなどなく終わったわけですけれども
(いやワレワレ夫婦にとっては結婚式ソレ自体が劇的なことだったのだ とフォローしとく)
それじゃあ小説になりようがない

本作は有名ホテルの宴会場係の一日を4組の新郎新婦などの視点から
描き出したパニック(笑)小説です
一癖も二癖もある新郎新婦たちがいろいろ問題を起こします
これがまた男子小学生の嫉妬からくるカワイイ悪戯だったり
双子美人姉妹のまさかの双子トリックだったり
まさに結婚式をやめたいと思い悩んであんなことをしてしまう男だったりと
それはもう怒濤のように.....
それぞれのキャラクタからの視点でかわりばんこに語られていき
一日が経過していくのですが
ラストは本当のパニック小説へと変貌を遂げるのでした!

それらに粛々と対応されるウェディングプランナーさんが本当にカッコいいのです
彼女が最後 幸せになれてよかった気がする

独断評価:80/100

本日は大安なり/辻村 深月

¥1,680
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